402A 東証グロース(輸送用機器)
アクセルスペースホールディングス
企業情報
新規上場会社紹介レポート
事業内容(レポートから抜粋)
顧客向け小型衛星の開発・製造・運用と画像データ及びソリューションを提供
アクセルスペースホールディングスグループは、経営管理等を行う持株会社の同社と、事業子会社であるアクセルスペース、アクセルスペース ディフェンス&インテリジェンスの3社で構成されている。同社グループは顧客向けに小型衛星の開発・製造・打ち上げ後の運用を行うAxelLiner事業と、自社で保有する光学地球観測衛星コンステレーション注1により取得した画像データ及び画像データを加工・分析したソリューションを提供するAxelGlobe事業を展開している。
26/5期の売上高構成比は、AxelLiner事業が60.7%、AxelGlobe事業が39.3%であった(図表1)。
<AxelLiner事業>
足元の売上高の太宗は、政府系機関から委託を受けて取り組んでいるプロジェクトからの収益である。
現在の主要プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「経済安全保障重要技術育成プログラム」(以下、Kプログラム)のテーマの一つである「光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証」であり、22年度から31年度までの10年間のプロジェクトである。
同プロジェクトは、光通信衛星を打上げ、大容量・低遅延でのデータ通信・データ処理が可能な衛星光通信ネットワーク技術の開発・実証を目的としている。
AxelLiner事業の収益としては売上高以外に、営業外収益に計上される補助金収入がある。主な補助金対象プロジェクトは、NEDOの「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)」であり、小型衛星の設計の汎用化、製造の効率化、運用の自立化・自動化の実証を目的に、26年度まで実施の予定である。
衛星は、電源、姿勢制御、通信等の共通に必要な機能と主構造からなる衛星バスと、衛星の目的に応じて搭載されるミッション機器からなる。アクセルスペースホールディングスは、過去の衛星の製造経験や上記の補助事業での技術開発の成果等を踏まえ、上記の補助金も活用し、衛星バスを標準化した汎用バスシステムを開発し、衛星開発期間の短縮とコスト削減を目指している。汎用バスは25年6月に打上げた実証衛星「GRUS(グルース)-3α」で検証を行っている。
汎用バスシステムを活用した新たなサービスとして、AxelLiner Laboratory(以下、AL Lab)がある。AL Labは、衛星で使用される機器(コンポーネント)の宇宙空間での実証試験を行いたい企業に対して、コンポーネントを同社の衛星に載せて打上げて、軌道上での実証試験の機会を提供するものである。
<AxelGlobe事業>
AxelGlobe事業は、19年5月に開始された事業で、18年12月に打上げられたGRUS-1A機、21年3月に打上げられたGRUS-1B、C、D、Eの合計5機による光学地球観測衛星コンステレーションにより、取得した画像データ及び画像データを加工・分析したソリューションを提供している。26年7月には後継機のGRUS-3A、B、C、D、E、F、Gの7機が打上げられ、今後、運用フェーズに移る予定である。
26年7月27日に、GRUS-1Eについて姿勢制御機能の不具合により商用運転を終了すると発表された。同社は、業績への影響は軽微としている。
GRUS-1は重量約100kgの小型光学衛星で、衛星高度585kmの地球低軌道を運行する地上分解能注22.5mの中分解能衛星であり、5機の衛星コンステレーションにより同一地点を2~3日に1回撮影できる。一方、GRUS-3は重量約150kg、地上分解能2.2mの中分解能衛星であり、7機の衛星コンステレーションにより同一地点をほぼ同一時刻に毎日撮影が可能となる。
提供する画像は、顧客の要望があった場所を撮影するタスキングが基本となっている。主な用途としては、農業での作物の生育状況の解析、インフラのモニタリング、環境モニタリング、報道、安全保障、地球軌道上からの他の物体の状況把握、地図の作成等がある。
26年2月には、防衛省から「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を受注した。26年2月から31年3月までの同社の契約総額は436億円で、26年4月から光学衛星画像データの提供を開始した。
(2026年8月4日時点)



