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634A 東証スタンダード(情報・通信)

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レイヤード

新規上場会社紹介レポート

(公開日 2026.09.29)

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概要(レポートから抜粋)

レイヤードは受診先の検索から、受診予約、問診、来院・受付、診察待ち、診察、患者説明、決済、そして受診後のフォローまでの患者導線を自動化・効率化するプロダクト群をSaaS形態で提供している。必要なプロダクトを選んで組み合わせて、診療科目や患者層に合わせた最適なフローを構築できる「マルチプロダクト戦略」を採用している点がレイヤードの特徴である。

具体的なプロダクトとしては、WEB問診「Symview(シムビュー)」、予約システム「Wakumy(ワクミー)」、患者管理システム「Kakarite(カカリテ)」、電話自動応答「Iver(アイバー)」、医療機関向けデジタルサイネージ「Medicastar(メディキャスター)」、ホームページ制作サービス「Wehub(ウィーハブ)」、そして6月にリリースされたばかりのAI音声対話サービス「Capai(カパイ)」といった集客・予約から決済、事後フォローまでをカバーするプロダクトを提供している。26/6期末ではSymviewの利用が最も多く、以下、Medicastar、Kakarite、Wakumy、Wehub、Iverの順となっている。

レイヤードのプロダクトは約6,000の医療機関に導入されており、保険診療のクリニックが主要顧客である。近年では病院や地域医療の効率化や住民の利便性向上を推進する自治体への導入も進んでいる。26/6期末のアカウント数(医療機関が利用する延べプロダクト数)は8,451に達している。

医療機関にとっては、大がかりなシステムではなく、必要な機能(プロダクト)だけを選択して利用できるため、導入ハードルが低い。加えて豊富なラインアップが用意されており、各プロダクト間の連携が可能であることから、拡張性も担保されている。

販売については、大手医薬品卸や医院開業支援コンサルタント等の販売代理店を通しての販売が中心である。また、インバウンド型の営業も行っている。26/6期においては、販売代理店経由で契約した医療機関の割合は約7割に達している。中でも、メディパルホールディングス(7459東証プライム)グループ経由での契約は約4割を占めており、特定グループへの依存度が高い販売構造となっている。

レイヤードは、サービスの収益形態に基づいて、売上高を「医療DXストック」、「医療DXイニシャル」、「広告」の3つに分類し、開示している。SaaS製品の月額利用料収入で構成される医療DXストックは26/6期売上高の55.2%を、サービス導入時の初期費用に相当する医療DXイニシャルは31.6%を、広告は13.1%を占めた。

<医療DXストック>
医療DXストックの売上高はSaaS製品の月額利用料で構成されている。利用医療機関の増加に伴い収益が積み上がるだけでなく、複数プロダクトの導入によって医療機関当たりのARPUが向上し、収益の更なる増加につながる。利用医療機関数は26/6期末で5,929施設(前期末比23.9%増)に達した。26/6期の解約率(月次チャーンレートの平均)は0.38%と低水準を維持しており、ARPUは207千円/年であった。

<医療DXイニシャル>
医療DXイニシャルの売上高はレイヤードサービスを新たに導入する際に発生する初期費用が該当する。一般的に規模の小さい医療機関はIT人材の確保が難しく、医療機関ごとに診療科目や業務フロー、スタッフ体制等が大きく異なる。そのため、単なるSaaSパッケージの提供だけでは不十分で、各医療機関の運用に即したコンサルテーションとシステム設定支援、受付スタッフへの使用方法のレクチャーといった導入サポートが必要となる。

26/6期の年間導入件数は、無人受付のオプションが加わったWakumyやKakariteが牽引役となり、前期比71.6%増の1,889件と大幅に伸長した。

<広告>
医療機関等に設置されたデジタルサイネージMedicastarや、WEB問診システムSymviewなどの一部領域を広告媒体として活用し、クライアントの広告出稿や広告コンテンツの制作・配信を行っている。クライアントには製薬企業や食品メーカー、自治体など幅広い業種が含まれている。レイヤードが運営するデジタルサイネージは、26年3月末時点で3,750面に達している。

レイヤードは過去5期分の単体決算を開示している。24/6期あたりまでは利用件数(アカウント数)が十分な水準に達しておらず、損益分岐点を超えているプロダクトが少なかった。さらに、開発投資や内部管理体制の強化に対する費用、カスタマーサポートや営業部門の拡充費用が嵩んだことから利益は低い水準にとどまっていた。

一方、25/6期以降はアカウント数の増加に伴い、ストック型収益が拡大するとともに利益水準は上昇している。

25/6期業績は、売上高1,461百万円(前期比25.7%増)、営業利益127百万円(前期は17百万円の損失)、経常利益128百万円(同15百万円の損失)、当期純利益100百万円(同2百万円の損失)となった。

WEB問診Symview、予約システムWakumy、PRMツールKakariteについて、積極的な販売戦略を実施したことに加え、販売代理店との連携強化が功を奏し、期末の総アカウント数は前期末比27.0%増加し、大幅な増収となった。広告宣伝費や販売手数料等の営業費用も増加したが、増収効果が上回り黒字化した。

26/6期の業績は、売上高1,980百万円(前期比35.5%増)、営業利益344百万円(同2.7倍)、経常利益337百万円(同2.6倍)、当期純利益239百万円(同2.4倍)であった。

Symview、Wakumy、Kakariteのアカウント数は引き続き増加した。Wakumyについては、予約システムのオプション機能として、セルフチェックイン端末を活用した無人受付機能の提供を25年7月から始めたことが寄与した。Kakariteについては、外来・在宅データ提出加算(26年度改定以降の充実管理加算等を含む)の算定を支援する外来データ作成機能への需要が強くアカウント数が大幅に増加した。

27/6期業績についての同社計画は、売上高2,474百万円(前期比24.9%増)、営業利益458百万円(同33.1%増)、経常利益432百万円(同28.2%増)、当期純利益305百万円(同27.6%増)である。

売上高は、医療DXストックについては、期末の利用医療機関数が7,627施設(前期末比28.6%増)へ拡大することを見込み、1,391百万円(前期比27.3%増)を計画している。医療DXイニシャルについては導入医療機関数2,199件(同16.4%増)を見込み、832百万円(同32.9%増)を計画している。広告については既に受注済みの広告案件を考慮に入れ、放映スケジュールに基づき、250百万円(同3.5%減)を見込んでいる。

労務費、システム利用料、外注費を主要項目とする売上原価は787百万円(前期比15.4%増)を見込み、売上総利益は1,686百万円(同29.9%増)を計画している。

人件費、広告宣伝費、販売促進費、採用費などを主要項目とする販売費及び一般管理費については1,227百万円(前期比28.6%増)を見込み、営業利益は458百万円(同33.1%増)を計画している。

営業外費用は上場関連費用を中心に27百万円を見込み、経常利益は432百万円(前期比28.2%増)を、特別利益として保険解約益等で12百万円を見込み、当期純利益は305百万円(同27.6%増)を計画している。

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