9279 東証プライム(小売業)
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事業内容(レポートから抜粋)
横浜家系ラーメンを主体としたラーメン事業を展開
ギフト(以下、同社)は、「横浜家系ラーメン」と呼ばれるジャンルのラーメンを主力に店舗展開している。「横浜家系ラーメン」とは、日本各地に散在するご当地ラーメンのひとつである。
1974年以降に広がった神奈川県横浜市発祥のラーメンであり、豚骨や鶏骨等の生ガラから取ったダシに醤油のタレを混ぜた豚骨醤油ベースのスープと、中太麺を特徴としている。アレンジの容易さから、「横浜家系ラーメン」を名乗るラーメン店は数多く存在している。
同社は2つの出店形態で事業を展開している。ひとつは、「横浜家系ラーメン」のブランドを中心に、自社ブランドを掲げて出店する直営店である。もうひとつは、ラーメン店の開業を予定している店舗オーナーに経営指導を行うプロデュース店である。プロデュース店は、開店後にスープや麺等の同社のPB商品を購入することを条件に、店舗オーナーが店舗のブランドやデザイン等を自由に決めることができ、加盟金等が不要であるという点も含めて、世間一般のフランチャイズとは異なっている。
国内では、20年10月末時点で直営店111店舗を展開しているが、プロデュース店400店舗を合わせると511店舗となり、ラーメン業界の一大勢力と言える。関東を中心としたエリアは主に直営店で、それ以外のエリアではプロデュース店での出店となる傾向がある。なお、海外では、米国で3店舗の直営店を運営し、米国やアジアに10店舗のプロデュース店がある。
これら多くの店舗に対する材料の供給や物流といった店舗運営を支える仕組みの充実と改善により、新型コロナウイルス禍の影響を受ける前の19/10期までは利益率の維持・上昇を続けてきた。
同社は飲食事業の単一セグメントだが、直営店事業部門とプロデュース事業部門の2つの事業部門に分類される。売上高の約8割が直営店事業部門によるものであり、その構成比は上昇傾向にある。
(2021年2月19日時点)
沿革(レポートから抜粋)
現代表取締役社長の田川翔氏は、高校卒業と同時に、横浜にて、横浜家系のラーメン店で修業を始めた。そして、08年1月、25歳の時に独立し、東京都町田市で横浜家系ラーメン町田商店を個人事業として創業した。
翌09年12月には法人化され、町田商店という商号で同社が設立された。この町田商店が、同社の直営店事業部門の源流となる。
スープの製法が特殊な横浜家系ラーメンの調理は、職人技に依存する部分が多かった。スープを作ることにそもそも大変な手間がかかる上に、スープの品質が安定しにくいというラーメン店泣かせの特徴もあった。
誰が作っても美味しい横浜家系ラーメンを提供するにはどうすれば良いかと考えた末、田川氏は、スープのレシピをプライベートブランド(PB)商品とした上で外部のメーカーにスープの製造を委託することに解決策を見出した。
そのためには、ある程度まとまった量を発注する必要があった。まだ店舗数が少なく、同社だけでは必要な量が発注できなかったため、田川氏のレシピをもとにして作られたスープを使っても良いというラーメン店を募ることにした。
その呼びかけに10店以上のラーメン店が応じ、共同仕入れに似た形態でのスープの製造委託が始まった。これが現在のプロデュース事業につながることとなる。
同社設立の翌10年に、田川氏は自身の100%出資により、ラーメン事業のプロデュースや、スープ等のPB商品販売を行うファイナル・スリー・フィートを設立した。なお、別会社としたのは、店舗を運営する同社のビジネスモデルとの違いを考慮したためである。
国内外での展開エリア拡大と並行して、15年5月には商号を現在のギフトに変更するとともに、同年10月にはファイナル・スリー・フィートの全株式を取得して同社を完全子会社にするなど、体制の強化も進んだ。同年11月には国内の直営店は30店舗に至った。
経営の体制を強化していきながら店舗を増やしていき、18年10月に東京証券取引所マザーズに上場を果たした。
上場後も、19年8月に味噌ラーメン業態の店舗を持つラーメン天華と麺や餃子等を製造するケイアイケイフーズを子会社化するなど、展開エリアの拡大と事業規模拡大に向けた体制強化を続けながら現在に至っている。
(2020年8月14日時点)