7360 東証グロース(サービス業)
オンデック
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事業内容(レポートから抜粋)
国内中小企業を対象としたM&Aアドバイザリーファーム
オンデックは、大阪に本拠を置き、国内の中堅・中小企業を対象にM&A支援サービスを提供している。
05年7月の創業、07年12月の会社設立以来、一貫して中堅・中小企業のM&Aに特化しており、23/11期末時点でのM&A成約案件数は累計で284件にのぼる。
オンデックは、中小企業対象のM&Aが売り手と買い手の単なるマッチングに終わる傾向があると分析している。そうした業界動向から一線を画し、M&A後の事業の成功に焦点を当てた質の高い提案を行うことで差別化を図ってきた。
オンデックの事業セグメントは、M&Aアドバイザリー事業の単一セグメントであるが、同社のM&Aアドバイザリー事業には、以下の2種類のサービス提供形式がある。
(1)譲渡企業(以下、売り手)と買収企業(以下、買い手)の仲介を行う仲介形式
(2)売り手と買い手のどちらか一方に対してフィナンシャルアドバイザーとして助言するFA形式
詳細の開示はされていないが、オンデックの売上高の大部分は仲介形式によるものとなっている。
(2024年3月1日時点)
沿革(レポートから抜粋)
現代表取締役社長の久保良介氏と代表取締役副社長の舩戸雅夫氏は1999年にジェーシービー(東京都港区)に入社した同期で、将来起業することを志していた。その後、両氏はそれぞれ別の中堅商社に転職し、業務プロセスをひと通り経験するなどの起業の準備を進めていた。
様々なビジネスプランを検討する中で両氏が着目したのがM&Aの分野であった。この分野で先行する米国では、当時、M&A支援の対象が大企業だけではなく、中堅・中小企業の領域まで広がっていた。この流れが日本でも起きると確信した両氏は、05年7月に中小企業のM&A支援を目的に創業した。
06年8月には、京都商工会議所が運営する京商M&A市場の立ち上げに参画して、京商M&A市場における認定アドバイザーとしての承認を受けるなど足掛かりを築き、07年12月に同社を設立した。
オンデックが設立された頃から注目され始めた後継者不在問題も追い風となり、M&A支援の分野には、様々な業界からの参入が相次いでいた。しかし、買い手と売り手のマッチングに重きを置くビジネスモデルに傾倒した先が多く、収益を増やすために案件の数と規模を追い求める傾向が業界全体に広がっていった。
オンデックのように、中堅・中小企業を対象としたM&Aのプロセス支援にこだわり、その品質の向上を追求する企業は少なかった。
07年のサブプライム・ショックと翌08年のリーマン・ショックで金融市場全体が委縮すると、M&Aの取引も減少に転じた。M&A支援の市場は11年まで縮小局面にあり、他社の撤退も相次いだ。その局面でも、オンデックはサービスの品質を磨き上げながら成約実績を積み上げていった。
11年に起きた東日本大震災からの復興と、12年の政権交代によるアベノミクスの発動により、M&A支援の市場は再度拡大局面を迎え、18年頃からは新規参入が急増した
オンデックの支援サービスの品質への評価は非常に高かったが、参入企業が増加する中で同社の存在が埋没してしまうおそれがあった。この点に危機感を感じた同社は、15年頃から規模拡大志向に転じていった。
オンデックが目指すのは高い品質を維持しながらの規模拡大であり、単にコンサルタントを増やすだけでは不十分である。そこで、品質と量の両面での成長を満たすため、オンデックは18年5月に2つの提携を実施した。
ひとつは、帝国データバンクの親会社であるタケオホールディングス(東京都港区)を引受先とする増資である。資本増強に加え、帝国データバンクが持つデータベースをはじめとした広範なリソースを有するタケオホールディングスと連携することで、案件の発掘及びマッチングの効率及び精度の向上を目指した。
もうひとつは、Angel Bridge(東京都千代田区)との資本業務提携である。Angel Bridgeにはバイアウトファンドや投資銀行の出身者が多い。提携を通じて、資本増強だけでなく、特にファイナンス分野でのコンサルティングスキルの向上が図られ、品質の強化につなげていった。
このように事業規模を拡大していったオンデックは、20年12月に東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たした(市場区分の変更に伴い22年4月からはグロース市場)。
(2023年6月23日時点)