621A 東証グロース(サービス業)
オーディオストック
企業情報
新規上場会社紹介レポート
事業内容(レポートから抜粋)
BGMや効果音の販売や著作権管理を支援するプラットフォームを展開
オーディオストックは、音楽クリエイターが制作したBGM、効果音、ボイス・ナレーション等の登録を受け付け、音源の販売、権利管理、音楽配信による収益化を支援するストックミュージックサービス「Audiostock(オーディオストック)」サービスを運営している。クリエイターには作品の販売や権利収入を得る機会を提供し、法人・個人の利用者には、権利関係が整理された音源を幅広い用途で利用できる環境を提供している。
オーディオストックの事業はAudiostock事業のみで構成されているが、収入は、課金収入、著作権等収入、その他に分類されている。25/9期の売上高構成比は、課金収入が39.9%、著作権等収入が58.6%、その他が1.5%であった。
<課金収入>
課金収入は、自社のオンラインプラットフォームAudiostockで音源のライセンス販売により得られる収入である。25/9期末時点の登録クリエイター数は約4万組、取扱音源は102万点に達し、オーディオストックの審査基準を満たす新規音源が月平均約3,000点追加されている。また、同期末時点の累計ユーザー数は20.3万人であった。
オーディオストックは、クリエイターから音源提供に必要な非独占的権利の許諾を受け、オーディオストック独自の審査を通過した音源をサイト上に掲載する。この取引では、音源の著作権及び著作隣接権は原則としてクリエイターに残る。
利用者はキーワードのほか、再生時間、用途、ジャンル、イメージ、楽器、テンポ等で音源を検索できる。サンプル視聴や音源の展開を確認できる波形表示、閲覧履歴等に応じて候補を提案するレコメンド機能も備えている。オーディオストックがクリエイターとの間で利用条件をあらかじめ整備しているため、利用者は音源ごとに権利者と個別に交渉する必要がない。購入または契約条件の範囲内であれば、利用のたびに追加の使用料を支払う必要がないロイヤリティフリー方式を採用している。
音源の販売形態には、音源を1点ずつ購入する「単品販売」と、定額料金で音源をダウンロードできる「定額制販売」がある。単品販売の価格はBGMが1点1,210円から、効果音が一律1点660円である。定額制販売には、個人の動画制作者向け「動画配信者プラン」、法人・個人の映像制作者向け「スタンダードプラン」、複数人で利用する企業・チーム向け「エンタープライズプラン」がある。自社サイトでの販売に加え、代理店を通じた販売も行っている。海外市場に向けては、23年7月から定額制サービスを提供している。
単品販売では利用者が音源をダウンロードした時点で売上を計上している。定額制販売では、契約期間にわたって売上を按分計上するため、契約件数の積み上がりが継続収入につながる。25/9期の課金収入600百万円の内訳は、単品販売が107百万円、定額制販売が493百万円であり、定額制販売が課金収入の82.2%を占めた。
オーディオストックは音源の販売実績に応じ、クリエイターごとに定めた30~50%の報酬率に基づいて報酬を支払う。25/9期のクリエイター報酬は610百万円で、売上原価620百万円の大半を占めた。音源の仕入代金を先行して負担する一般的な小売事業とは異なり、販売または利用実績に応じて報酬が発生する収益分配型の事業構造となっている。
<著作権等収入>
著作権等収入は、テレビ・ラジオ等での放送利用から得る著作権・著作隣接権収入と、音楽配信サービスから得る収入で構成されている。著作権は作詞家や作曲家が保有する楽曲そのものの権利であり、著作隣接権は歌唱・演奏を行う実演家やレコード会社等の音源を制作した者に認められる権利である。
著作権・著作隣接権収入の対象は、Audiostockの登録音源のうち、クリエイターと著作権原盤権等譲渡契約を締結した作品である。課金収入ではクリエイターが権利を保有し続けるのに対し、著作権等収入では対象作品の権利をオーディオストックが独占的に譲り受ける点が異なる。
オーディオストックは、対象作品の著作権管理を一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)やNexTone(7094東証グロース)へ委託している。テレビ・ラジオ局が放送で音源を使用すると、これらの著作権等管理事業者注4が利用実績に応じて使用料を同社へ分配する。著作隣接権についても、日本音楽制作者連盟(東京都渋谷区)、日本音楽出版社協会(東京都港区)、スペースシャワーSKIYAKIホールディングス(4838東証スタンダード)傘下のスペースシャワーネットワーク等から分配を受ける。同社は受け取った収入の一部をクリエイターへ支払う。25/9期末の著作権管理楽曲数は3万点を超えている。
著作権・著作隣接権収入は、著作権等管理事業者から利用実績の報告を受けた時点で売上を計上する。このため、売上の計上時期は実際の放送時期ではなく、管理事業者からの報告時期に左右される。
音楽配信収入は、クリエイターが制作した楽曲をApple MusicやSpotify等で世界のリスナーへ配信し、再生実績に応じて得る収入である。20年3月にこのサービスを開始し、21年3月にはクリエイター単位のオリジナルアルバムの配信もできるようにした。Audiostockで音源を販売するクリエイターだけでなく、音楽配信のみを希望するクリエイターも利用可能である。25/9期の音楽配信収入は37百万円であった。
(2026年9月25日時点)



