6182 東証グロース(サービス業)
ロゼッタ
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事業内容(レポートから抜粋)
機械翻訳主体の世界の創造に邁進する翻訳サービス会社
ロゼッタ(以下、同社)は、産業翻訳に特化した翻訳サービス会社である。翻訳は、誰が行うかという観点で、人間翻訳と機械翻訳に大別される。同社グループでは、子会社で人間翻訳によるサービスを、親会社で機械翻訳によるサービスを提供している。
同社の機械翻訳の技術的なベースとなっている「統計的機械翻訳」は、ウェブ検索で得られた単語の組み合わせをデータベース化して内容を把握し、正確性を向上させる点に特徴がある。
翻訳エンジンのほか、構築するデータベースの量と精度が問題となる。同社は10年以上の時間と資金をかけてデータベースを構築してきた。
現在、新規事業として位置づけられているのは、SaaSの形式で自動翻訳のソフトウェアを提供するMT事業、同社独自開発の翻訳支援ツールを援用した機械翻訳と人間翻訳の中間形態のGLOZE事業、ウェブを活用してフリーランサーを集めて翻訳を行うクラウドソーシング事業である。
同社では、全分野対応でウェアラブル端末内蔵型の新サービスの早期実現を目指して開発を進めるなど、機械翻訳主体の世界の創造に向けて事業を進め、同時に、人間翻訳主体から機械翻訳主体への業界転換に合わせ、事業ポートフォリオの転換を行っている。
人間による翻訳サービスから、機械翻訳のサービスまでをグループ内で網羅していることが同社の事業の特徴である。そのため、同社の事業は、機械翻訳をベースとした新規事業の3セグメント、人間翻訳をベースとする既存事業の2セグメントの合計5つの報告セグメントで構成されている。
新規事業の3セグメントの売上高は、18/2期の約45%を占めているが、MT事業とクラウドソーシング事業はセグメント赤字となっており、新規事業は利益貢献していない。
人間による翻訳サービスから、機械翻訳のサービスまでをグループ内で網羅していることが同社の事業の特徴である。そのため、同社の事業は、機械翻訳をベースとした新規事業の3セグメント、人間翻訳をベースとする既存事業の2セグメントの合計5つの報告セグメントで構成されている。
新規事業の3セグメントの売上高は、17/2期の約43%、18/2期第2四半期累計期間の約48%を占めている。
(2018年6月22日時点)
沿革(レポートから抜粋)
代表取締役CEOの五石順一氏は1989年より英会話学校を運営するノヴァでキャリアを積んできたが、98年にノヴァの社内ベンチャーとして、翻訳・通訳業務の受託を行うグローヴァを立ち上げ(2000年に法人化)、経営者としての道を歩み始めた。
グローヴァは、01年に企業向け語学研修を行う海外放送センターをM&Aにて子会社化した。この2社が、現在の同社の既存事業を構成することとなる。
五石氏は、自動翻訳によるサービスに着眼し、ノヴァから独立することを決意した。04年2月にアイピーオーバンク(東京都港区)が保有していた有限会社Pearly Gatesの全株式を譲り受けた上で株式会社化するとともに、同年4月にノヴァが保有していたグローヴァの株式をMBOの形で買収した。
その後、商号をロゼッタに変更し、同社と子会社2社の体制での船出となった(なお、海外放送センターは当初孫会社だったが、12年に同社の子会社となり、17年3月にグローヴァと合併する予定である)。なお、同社はノヴァからの出資は全く受けていない。
独立後、同社は自動翻訳の開発に注力してきた。独立した04年に翻訳者向けの翻訳支援ツールの「TraTool」を、06年には同社の自動翻訳の中核サービスとなる「熟考」をリリースした。この後、機能強化や機能付与をしながらバージョンアップを続け、12年には翻訳支援ツール機能を搭載した「熟考Z」のサービス開始に至った。
同社は、翻訳者の人手をかける従来型の翻訳業務受託サービスと、MT事業の自動翻訳サービスを有しているが、22年を目途に、自動翻訳AIに、画像認識と音声認識のAIを組み合わせたウェアラブル端末型の翻訳装置を完成させることを目標としている。
翻訳の作業を人間から機械に置き換えていく流れの中で、その中間にも市場があると着目して13年に立ち上げたのがGLOZE事業である。これは、従来の人手による工程の一部を、MT事業で培ってきた技術を援用したツールで自動化することで、質を落とすことなく短納期で成果物を提供できるサービスである。
(2017年2月3日時点)