5621 東証グロース(情報・通信)
ヒューマンテクノロジーズ
企業情報
事業内容(レポートから抜粋)
クラウド勤怠管理システムKING OF TIMEをSaaS形態で提供
ヒューマンテクノロジーズは、SaaS形態のクラウド勤怠管理システム「KING OF TIME」(以下、KOT)を提供する情報サービス会社である。KOTは25/3期中間期(以下、上期)末時点で5.8万社の361万人に利用されている。
ヒューマンテクノロジーズの事業領域は、勤怠管理SaaS事業の単一セグメントであるが、KOTの月額利用料である「KOT SaaS」と、勤怠状況を記録する打刻端末や、KOTの導入から運用までを有償で支援するプレミアムサポート等が含まれる「その他」に分類される。24/3期のサービス別売上高構成比は、ストック収益であるKOT SaaSが87.8%、その他は12.2%であった。
KOTは、1ID当たり月額300円で、主力機能である「KOT勤怠管理」に加え、「KOTシステムログ」、「KOTデータ分析」、「KOT人事労務」、「KOT給与」の4つの機能が利用できる。これら5つの機能は相互にデータを連携して活用できるほか、KOT勤怠管理は、既に各市場で多くの顧客に利用されている他社の人事管理システムや給与システムとの連携も可能となっている。
KOT勤怠管理は、出退勤、残業時間、スケジュール・シフト、有給休暇の管理、各種申請承認のワークフロー作成、フレックスタイム制・在宅勤務・海外勤務等、様々な就業形態や規則、英語への対応等が可能となっている。
KOTシステムログは、従業員のPCにアプリケーションをインストールすることにより、ワンタイムパスワード等を用いた手軽で安全なWindowsログオンや、ログ記録等による証跡(ログ記録)管理、KOT勤怠管理との打刻連携機能等を提供するクラウド管理型サービスである。
KOTデータ分析は、勤怠管理とシステムログと連携して従業員の働き方を可視化し、労務におけるリスクヘッジ策や生産性の向上策を検討できるクラウド型のデータ分析システムである。時間外労働状況や36協定基準での残業時間の把握、分析ができるほか、労働生産性等の推移の確認や同業他社比較が可能となっている。
KOT人事労務は、人事データをシンプルに分かりやすく一元管理できるクラウド型の人事労務管理システムである。入社手続きに係る人事情報の収集や、申請情報等の確認、各種帳票等の作成ができるほか、マイナンバーの管理やWeb給与明細の発行等も行える。
KOT給与は、KOT勤怠管理とKOT人事労務と自動連携して、勤怠管理から給与計算までをシームレスに一元管理できるクラウド型の給与システムである。
(2025年1月17日時点)
沿革(レポートから抜粋)
ヒューマンテクノロジーズの前身企業は、01年に設立された携帯電話販売事業を行うエス・エヌ・シーである。エス・エヌ・シーは、03年12月に、自社従業員の勤怠管理を厳格に行うため、クラウド勤怠管理システムKOTを開発すると共に、KOTの外部販売を目的としてヒューマンテクノロジーズ(旧ヒューマンテクノロジーズ①)を子会社として設立した。
エス・エヌ・シーは、KOTの開発・販売に注力するため、携帯電話販売事業を売却すると共に、旧ヒューマンテクノロジーズ①を07年8月に吸収合併し、ヒューマンテクノロジーズ(旧ヒューマンテクノロジーズ②)に商号変更した。
旧ヒューマンテクノロジーズ②は、KOTの開発・販売事業に集中したものの、経常損失を計上する等、業績不振が続き、筆頭株主が何度か交代していた。こうした中、日本アイ・ビー・エムや伊藤忠テクノサイエンス等での勤務経験を持ち、クラウドサービスの知見を有する恵志章夫氏(現代表取締役会長)が、08年6月に旧ヒューマンテクノロジーズ②の社外取締役に就任した。当時の筆頭株主からの要請を受けて、恵志氏は10年6月に旧ヒューマンテクノロジーズ②の代表取締役に就任した。
10年当時の筆頭株主は株式の長期保有意向に乏しく、旧ヒューマンテクノロジーズ②は株式の買い手を探していたが、業績見通しが不透明であったため、買い手探しは難航した。
最終的に、経営陣の出資によって11年12月に設立されたSPC(特別目的会社)であるH&Tホールディングスが、12年5月に旧ヒューマンテクノロジーズ②の株主から100%の株式を買い取って子会社化した後、12年9月に旧ヒューマンテクノロジーズ②を吸収合併すると共に、商号をヒューマンテクノロジーズ(同社)に変更した。買収によって発生した借入金を同社の営業キャッシュ・フローから返済するというLBOスキームを選択したが、LBOに伴うのれんは計上されておらず、LBOで生じた借入金は既に全額返済されている。
ヒューマンテクノロジーズは、15年3月に「クラウド人事管理システム(現KOT人事労務)」の提供を開始し、勤怠管理システムの周辺領域にある人事労務管理関連のバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスの拡充に乗り出した。また、同年4月にはシンガポールに開発拠点子会社であるHUUBAP. PTE. LTD.(22年9月、Human Technologies Singapore PTE. LTD.に商号変更)を設立した。17年10月には、クラウド型PC認証管理システム「KOTセキュアログイン(現KOTシステムログ)」の提供を開始した。18年10月には、勤怠データ等を可視化して分析するKOTデータ分析の提供を開始した。
20年4月には、料金は1ユーザー月額300円のままで、KOTに、クラウド人事管理システム、KOTセキュアログイン、KOTデータ分析の3サービスを統合した。従来、これらのフルサービスを受けるには1ユーザー当たり月額600円を支払う必要があったが、顧客企業はより低コストで幅広い人事労務管理サービスを利用できるようになった。
21年11月に、ヒューマンテクノロジーズはクラウドサービスの卸販売を行うITエージェントを子会社化した。22年8月には、タイに営業拠点子会社であるHuman Technologies(Thailand)Co., Ltd.を設立した。23年2月には、給与計算等を行えるKOT 給与の提供を開始した。
23年12月、ヒューマンテクノロジーズは東京証券取引所グロース市場に上場した。ヒューマンテクノロジーズはその後も機能の追加や改善を進めるほか、連携サービスの拡充にも取り組んでいる。
(2025年1月17日時点)