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4893 東証グロース(医薬品)

ノイルイミューン・バイオテック

企業情報

事業内容(レポートから抜粋)

独自技術により固形がんに対する新たな免疫細胞療法の開発を進める

ノイルイミューン・バイオテックは、国立がん研究センター及び山口大学発のバイオベンチャー企業である。

ノイルイミューン・バイオテックの玉田耕治社長らが開発したPRIME技術を活用し、免疫細胞であるT細胞の機能を強化することで胃がんや肺がん等の固形がんの治療を行う、がん免疫療法のPRIME CAR-T細胞療法の開発を主な事業としている。

体内の免疫を利用してがんを治療するがん免疫療法は、小野薬品工業(4528東証プライム)のオプジーボ等に代表される免疫チェックポイント阻害薬の開発と上市により、従来の外科療法、化学療法(抗がん剤)、放射線療法に次ぐ第4のがん治療法として確立されてきた。

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞のブレーキを解除して免疫細胞のT細胞の能力を高めることでがん細胞を攻撃するというものである。但し、免疫チェックポイント阻害薬は全てのがんに対して治療効果を発揮するわけではなく、治療効果がある場合でも単剤での有効性は10~30%程度とされている。

免疫チェックポイント阻害薬とは異なるアプローチのがん免疫療法として、遺伝子改変技術を用いてT細胞の能力を増強してがん細胞を攻撃するのが、遺伝子改変T細胞療法である。その中の一つとして、CAR-T細胞療法がある。

CAR-T細胞療法では患者の体内から取り出したT細胞に、がん細胞表面に現れるがん抗原を認識するCAR遺伝子を導入してCAR-T細胞を作製し、体外で大量に培養してから患者に投与する。CAR-T細胞はがん細胞を見つけると活性化してがん細胞を攻撃する一方で、正常細胞は攻撃しないという特徴を持つ。

CAR-T細胞療法は、がん患者の約1割を占める白血病やリンパ腫等の血液がんに対して高い有効性が実証されており、日本を含めた複数の国で医薬品として承認されている。

しかし、従来のCAR-T細胞療法は、がん患者の約9割を占める固形がんに対しては未だ有効性を示せておらず、承認された薬剤や療法はない。固形がんを対象とする次世代型CAR-T細胞療法の技術開発や臨床研究が各国で進められており、同社のPRIME CAR-T細胞療法もその一つになる。

従来のCAR-T細胞療法が血液がん以外の固形がんに対して効果を発揮しにくい要因としては、以下の2点が挙げられる。

1点目は、血液がんではがん細胞が血管内やリンパ管内で増えるため、血管を流れるCAR-T細胞が一対一でがん細胞を攻撃できるのに対し、固形がんは塊として臓器の中で増殖するため、がん組織の内部にCAR-T細胞が到達するのが難しいことである。

2点目は、血液がんではがん抗原を均一に持っているが、固形がんでは多数の抗原が不均一に表れており、全てのがん抗原を攻撃するのが難しいことである。

ノイルイミューン・バイオテックでは次世代型CAR-T細胞を作るためにPRIME技術を利用している。PRIME技術は、CAR-T細胞等の免疫細胞に免疫細胞の活性化や増殖を誘導するサイトカインや免疫細胞の集積やがん細胞への浸潤を促進するケモカインを産生するように、更なる遺伝子改変を加える技術である。

ノイルイミューン・バイオテックではPRIME技術を利用したCAR-T細胞療法をPRIME CAR-T細胞療法としている。PRIME技術の根幹は、CAR-T細胞の攻撃能力を高めることに加え、患者自身の免疫細胞を活性化し、固形がんに対する多様な攻撃により、長期の治療効果を誘導することにある。

(2023年6月30日時点)

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