3539 東証プライム(小売業)
ジャパンミート
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事業内容(レポートから抜粋)
東京都や茨城県を中心に首都圏で店舗展開する独立系食品スーパーマーケット
ジャパンミート(以下、同社)は、東京都や茨城県を中心に首都圏においてテナント形態や単独店舗で食品スーパーなどを展開する独立系のチェーンストアである。
中核業態であるスーパーマーケット事業は、同社単体が運営する「ジャパンミート『生鮮館』」(以下、生鮮館)及び「ジャパンミート『卸売市場』」(以下、卸売市場)、連結子会社のパワーマートが運営する「パワーマート」、連結子会社の花正が運営する「肉のハナマサ」の4業態によって構成され、18/7期末の店舗数は80店となっている。
生鮮館はテナント形態、その他の業態は単独店舗での出店となっている。これまで生鮮館は、ジョイフル本田(3191東証一部)グループが運営する郊外型大型ホームセンターにだけ出店していたが、17年6月に丸井グループ(8252東証一部)が運営する都心型百貨店である錦糸町店に出店した。
報告セグメントに含まれないその他事業では、子会社ジャパンデリカが「焼肉や漫遊亭」というブランド名で外食事業(18/7期末店舗数16店)を運営している。
同社は、17年2月に「肉フェス」など食に関わるイベントを展開するAATJ(イベント事業)を、17年4月にスーパーマーケットに対するレジ業務を受託するアクティブマーケティングシステムを買収し、その他事業に加えた。
18/7期の売上高構成比(外部顧客への売上高ベース)は、スーパーマーケット事業95.4%、その他事業4.6%、セグメント間取引消去前営業利益の構成比は、スーパーマーケット事業88.6%、その他事業11.4%となっている。
同社の18/7期の有価証券報告書には、ジョイフル本田グループのホームセンターに出店する生鮮館の売上高構成比が約36%であることや、花正の売上高が38,089百万円であることが開示されており、生鮮館と肉のハナマサの2業態合計の売上高は全体の70~75%を占めていると推測される。
(2018年11月30日時点)
沿革(レポートから抜粋)
同社は、代表取締役社長である境正博氏の実祖父(前取締役会長)が茨城県行方群北浦町(現行方市)において1945年に食肉の小売・卸売を目的として丸八肉店を個人創業したことを起源としている。
64年に創業間もない株式会社霞ストアー(現株式会社カスミ)への卸売取引が始まり、霞ストアーの精肉部門的な位置づけを得て、同社の業績も急拡大した。75年には個人事業から法人事業に変更するため、カスミ畜産株式会社を設立した(01年に吸収合併)。
78年に卸売店舗を出店するにあたり、霞ストアーとの混同を避けるため、株式会社ジャパンミート(同社)を設立し、現取締役会長である境弘治氏(境正博社長の実父)が代表取締役に就任した。
83年に長崎屋から精肉のテナント出店の話が来たことから、長崎屋勝田店(茨城県ひたちなか市)内に小売1号店を開設した(生鮮館ひたちなか店開設に伴い98年に閉鎖)。
84年にコロッケやローストチキンなど、肉を用いた惣菜の製造販売を目的とした子会社であるジャパンデリカを設立した。
93年にはジョイフル本田が守谷店を開設するにあたり、要請を受けた地元のスーパーがホームセンターの集客力を過小評価し、出店を断ったため、トップ同士の個人的な交流などがきっかけになり、同社がホームセンター1号店(生鮮館)を出店するに至った。
当時の生鮮館は、同社がキーテナントとしてジョイフル本田と契約した上で、精肉は同社が、青果や鮮魚、惣菜、その他の食品は同社が契約した外部のサブテナント(青果は株式会社黒田青果、鮮魚は株式会社兼高、惣菜は株式会社そうざい男しゃく)が店舗を運営していた。
同社の店舗運営が評価されたため、その後は、ジョイフル本田が新規開設した全ての店舗に同社の生鮮館が同時にテナント出店しているほか、93年以前にジョイフル本田が開設していた店舗においても、スペースが不足している3店舗を除いて、03年から12年にかけて生鮮館の出店を進めた。
94年に同社初の単独店形態での食品スーパーであるJバリュー見和店をオープンしたものの、不慣れな青果、鮮魚も自社で手掛けたことからこちらの運営には苦労したようである。
97年には惣菜販売が不振となっていたジャパンデリカを外食事業に業態転換し、「焼肉や漫遊亭」水戸50号店を出店した。その後は、BSE問題などで業界が厳しい時期もあったが、1~2年に1店程度のペースで出店を継続している。
黒田青果が運営する北関東の食品スーパーであるパワーマート内に精肉テナントとして入居した住吉店を99年にオープンし、その後も、少しずつパワーマート内への出店を進めた。
01年に加工物流センターが品質認証規格であるISO9001を同社で初めて取得したことで、取引先から評価が向上した。その後は、03年に同社もISO9001を取得するなど、グループぐるみでISO9001の取得に取り組んでいる。
03年に黒田青果を完全子会社とし、青果部門をグループ化すると共に、黒田青果のパワーマートの運営を引き継いだ(10年に会社分割により、パワーマートを運営する株式会社パワーマートを設立)。
04年に兼高を、08年にはそうざい男しゃくを完全子会社とし、鮮魚部門と総菜部門をグループ化した(14年に両社を吸収合併)。
09年になると、進出の機会をうかがっていた東京都や埼玉県などで出店条件が改善してきたため、卸売市場という単独店の新業態を開始することを決定し、5月に東村山店、10月に入間店をオープンした。
13年には、肉のハナマサを運営する株式会社花正の再建を経営破綻後スポンサーとなっていた全日本食品株式会社(全日食)から依頼され、同社最大のM&A案件となった花正の買収に踏み切った(株式取得額4,265百万円、のれん3,396百万円、償却期間10年)。
16年4月、同社は東京証券取引所市場第二部に上場した。
(2017年5月12日時点)