ダイブ

ダイブは、「一生モノの『あの日』を創り出す」というミッションと「誰もがジブンの人生を愛せる世界へ」というビジョンのもと、リゾートバイト注1に特化した人材派遣や人材紹介を行う観光HR（Human Resources：人的資源、人材）事業を主力事業としている。その他に、地方でグランピング施設注2などの企画開発・運営を行う地方創生事業を行っている。

25/6期の売上構成比は観光HR事業が94.1%、地方創生事業が5.7%、その他（情報システム事業）が0.1%である（図表1）。尚、企業に合わせたシステムの選定及び導入支援、拠点開設や移転に伴うシステム整備などを行っていた情報システム事業については、25/6期を以て休止している。

尚、ダイブは26年7月を目途に持株会社体制に移行する考えである。ダイブは持株会社（商号をダイブグループに変更予定）として、観光HR事業、地方創生事業を25年7月に設立した子会社（ダイブ分割準備会社1号、ダイブ分割準備会社2号）に継承し、傘下に収める予定である。

＜観光事業＞
リゾートバイトに特化した人材派遣及び人材紹介を行っている。派遣及び紹介の流れは次の通りである。
①　ダイブの営業拠点（札幌市北区、仙台市青葉区、東京都新宿区、大阪市浪速区、福岡市博多区、沖縄県那覇市）の営業担当者が労働者派遣（紹介）基本契約を締結している全国のリゾートホテルや旅館、テーマパーク、レジャー施設、飲食店等（以下、観光施設等）から求人情報を入手して、同社の運営するリゾートバイト求人サイト「Resort Baito Dive」や各種求人媒体に掲載する
②　求人情報を閲覧して興味を持った求職者が会員登録の手続きを行う。登録に際して同社は、希望エリアや職種、勤務時間といった基本的な情報に加え、志望動機や求める体験といった情報も収集している
③　収集した情報をもとに、ダイブのデータベースを活用して求職者と勤務先をマッチングする。勤務先が決定すると、ダイブと観光施設等の間で労働者派遣（紹介）個別契約を締結する。人材派遣の場合は派遣スタッフとダイブとの間で雇用契約を締結し、派遣スタッフが観光施設等に就業する
④　契約期間終了前に派遣スタッフと観光施設等、ダイブとの間で契約期間延長の可否を協議して決定する

「Resort Baito Dive」の利用者の年齢構成は25～44歳が52.2%、45歳以上が31.6%、居住地域は関東が52.9%、関西が13.1%と、都市部居住の25歳以上の社会人が中心となっている（25/6期実績）。

年間のサイト利用者数は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により21/6期、22/6期と落ち込んだものの、23/6期には回復して178.6万UU（ユニークユーザー：重複を除外したユーザー数）、25/6期は過去最高の230.8万UUとなっている。

25/6期における観光HR事業の売上高の98%超が人材派遣に関連するもので、残りが人材紹介に関連するものである。人材派遣では派遣先から受け取る派遣料金と派遣スタッフに支払う給与の差額が、人材紹介では紹介先の企業から受け取る紹介手数料がダイブの収益となる。

（2025年9月12日時点）

現代表取締役社長である庄子潔氏は、高校卒業後に音楽を学ぶために米国に留学し、帰国後は派遣社員として工場で働いた。その職場での経験と出会いをきっかけとして人材派遣会社に社員として勤め、そののちに観光施設等への人材派遣事業を行う目的で創業メンバーと共に02年3月に有限会社ふらり（現 ダイブ）を設立した。

04年1月に有限会社アプリに商号変更して07年8月に株式会社化し、19年3月に現社名となっている。

地方の観光施設等へのアプローチを強化するため、03年4月に仙台オフィスを開設した後、大阪オフィス、福岡オフィス、札幌オフィス、沖縄オフィスと拠点を拡大していった。19年8月にグランピング施設等の企画開発・運営を行う地方創生事業を開始し、20年9月に企業の情報システムをサポートする情報システム事業を開始した。24年3月に東京証券取引所グロース市場に上場した。

（2025年2月28日時点）