1433 東証プライム(建設業)
べステラ
企業情報
事業内容(レポートから抜粋)
プラント解体のエンジニアリング・マネジメントに特化した建設会社
ベステラ(以下、同社)は、プラント解体に特化した建設会社である。また、解体のための施工能力を自社では持たず、エンジニアリングとマネジメントの業務に特化している。
そのため、同社は、持たざる経営による資産保有リスクや在庫リスクの回避、「りんご皮むき工法」に代表される特許工法等の知的財産、施工現場を管理する工事監督という3つの競争力の源泉を活かして、業界内でユニークなポジションを構築することに成功した。
解体工事の工程の「視える化」を実現するため、15年に開始した3D計測事業は、解体工事への活用だけに留まらない大きな可能性を秘めている。
既に3D計測は事業化されているが、更なる収益の確保を目指し、計測データをプラント解体工事に活用する「3D解体」への展開や、クラウド化による計測データの一括管理、原子力廃炉分野での活用を想定したロボティクス技術との融合を進めていく方針である。
同社の事業は、プラント解体事業とその他に分類される。その他には、人材サービスと3D計測が含まれる。その他は黒字を維持しているが、全社の売上高及び利益の大半はプラント解体事業が創出している。
(2018年5月18日時点)
沿革(レポートから抜粋)
1947年に、現代表取締役社長の吉野佳秀氏の父である吉野春吉氏によって愛知県名古屋市で創業された吉野商店が同社の前身である。吉野商店は土木工事とスクラップで生じた有価物売買を行っていたが、64年に吉野佳秀氏が事業を引き継ぎ、74年に株式会社化したのが同社である。株式会社化した当初より、同社の主たる事業はプラント解体事業であった。
81年に同社は千葉県八街市に本店を移転し、首都圏中心の事業展開を目指すこととなった。愛知県がある中部圏より首都圏の市場規模の方が大きいためだったが、同時に、縁もゆかりもないという状況からの再スタートという格好となった(後に、02年に東京都江東区、09年に現在の東京都墨田区へ本店を移転)。
プラントの解体は建設業界の中でも参入障壁が高い業務である。見えない部分に何があるか分からないという状況で作業を行う必要があるためである。そのため、プラントの解体は、プラントを造った会社に発注されることがほとんどであった。そうした状況下で、同社は、「見えないものをどう見るか」という観点で、プラント解体の技術の習得・蓄積を続けてきた。
同社の技術が注目を集めたのが、04年に特許を取得した「大型球形貯槽の切断解体方法(リンゴ皮むき工法)」である。同社の代名詞とも言えるこの「リンゴ皮むき工法」は、ある火力発電所でボイラの解体作業を行っていた時、隣接していた敷地にあるガスタンクを毎日のように見続けた結果着想し、実現した工法である。
特許取得後、大手ガス会社からの案件が舞い込むようになり、技術を提供して顧客をつくるという、同社の成長パターンが確立した。
この後、07年の火力発電所等の「ボイラの解体方法」等、多くの特許を取得するとともに、特定建設業許可を取得し、業務の範囲を拡大していった。また、「リンゴ皮むき工法」についても、10年には、「リンゴ皮むき工法」を遠隔操作にて実現可能とする溶断ロボット「りんご☆スター」を開発するなど、進化を続けていった。
プラント解体の事業を中核に、同社は業務領域を拡大している。13年には、現場監督をはじめとする人材不足に対応するために人材サービスに参入した。また、15年には、「工程の見える化」を実現するために始めたプラント構造計測に特化した「3D計測サービス」に参入した。その結果、現在は3つの事業が展開されている。
17年9月、東京証券取引所マザーズから同取引所市場第一部へ市場変更となった。
(2017年11月6日時点)