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Synspective

新規上場会社紹介レポート

(公開日 2024.12.24)

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概要(レポートから抜粋)

Synspectiveは、小型SAR衛星を開発・製造し、軌道に打ち上げられた衛星コンステレーションの運用によって取得した地球観測データ・画像の販売、データ解析技術を活用したソリューション提供を行う衛星データ事業を展開している。

内閣府が所管するハイリスク・ハイインパクトの技術開発を目的とした革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)のもとで、小型SAR衛星を開発していたメンバーが、技術成果を社会実装するために同社を設立した。

Synspectiveの小型SAR衛星は、従来の大型衛星に比べて重量比で約10分の1の小型化を達成し、折り畳み可能なSARアンテナ(展開型スロットアレーアンテナ)、高出力化と高度な熱制御などにより、衛星サイズの小型化と大型SAR衛星と遜色ない撮像能力を実現した。

コスト面は、大型と比較し、打ち上げと製造費用の合計で約20分の1の低コスト化が可能となった。これによって、従来の衛星では費用面で不可能であった多数機でのコンステレーション形成が可能となり、多地点の高頻度観測が可能となる。

Synspectiveの衛星は、ロケット打ち上げ事業者である米国のRocket labのロケットに搭載して打ち上げられ、これまで6回の打ち上げを実施した。実証機として、20年12月に1号機、22年3月に2号機、22年9月に3号機を打ち上げた。

商用機としては、24年3月に4号機、8月に5号機、12月に6号機を打ち上げている。現在、3号機、4号機、5号機の3機を運用し、地球観測データ・画像の取得と販売、データ解析をもとにしたソリューション開発を手掛けている。6号機は打ち上げ後の検証中で、25 /12期第1四半期から商用利用を開始する予定である。人工衛星は目的に応じて通信、測位、地球観測衛星の3つに大別され、地球観測衛星は光学衛星、SAR衛星に分類される。

Synspectiveが開発・製造・運用するSAR衛星の特徴は、天候や時間帯を問わず常時データ取得が可能な点にある。

光学衛星は宇宙から写真を撮影するもので直感的に理解しやすく、Google Earthをはじめとする様々なWEBサービスで利用が進んでいるが、撮影の際には雲により視界が妨げられるほか、夜間には視認性が落ちるため、情報取得の頻度が限定される。一方、SAR衛星は雲を透過する波長の電波を照射し、地上からの反射波を観測するため、常時データ取得が可能である。データには、地形や構造物の形・物性を把握できる情報が含まれ、時系列分析や変化抽出に強みがあり、経済や環境に関する事象の連続的変化を捉えるのに適しているという特徴を有している。

Synspectiveの売上高は、おもにデータ販売及びソリューション提供により構成されている。データ販売は23/12期の売上高の54.6%、ソリューション提供は27.6%、防衛省からの受託研究などのその他が17.8%を占めた。

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