7807 東証スタンダード(その他製品)
幸和製作所
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事業内容(レポートから抜粋)
シルバーカーや歩行車等の歩行補助分野で高シェアの総合福祉用具メーカー
幸和製作所(以下、同社)は、シルバーカー、歩行車、杖といった高齢者の歩行補助を目的とした福祉用具の製造・販売を行っている。
シルバーカーは、自立歩行が可能な高齢者向けの歩行補助車で、同社の創業当初からの主力製品である。介護保険の適用はない。
一方、歩行車は介護保険が適用され、自立歩行が困難な要支援及び要介護認定者の歩行を補助する器具である。同社は、歩行車の分野に07年に参入し、10年には軽量・コンパクト仕様で持ち運びが容易な「テイコブリトル」を発売しシリーズ化した。
なお、同社が販売する福祉用具は、歩行車の分野に参入したのと同じタイミングで開始した自社ブランド「TacaoF(テイコブ)」に統一され、歩行補助関連だけでなく、総合福祉用具メーカーとしてのポジション構築を進めてきた。
同社は、福祉用具事業の単一セグメントだが、売上高は製品アイテム別に分類されている。歩行補助関連の歩行車とシルバーカー、杖で、19/2期の売上高の69.8%を占めている。
過去、歩行車よりもシルバーカーの売上構成比の方が高かったが、16/2期でほぼ同程度となってからは歩行車の売上構成比が上回るようになった。
しかし、18年8月より歩行車の一部製品について製品不具合による自主回収を行ったため、19/2期は歩行車の売上構成比はシルバーカーを下回った。一方、徐々に減少傾向にあるが、他社のブランドで販売されるOEM製品の提供も行っている。
(2019年8月23日時点)
沿革(レポートから抜粋)
同社の前身は、同社の創業者であり、現代表取締役社長の玉田秀明氏の父である取締役会長の玉田栄一氏が、1965年から個人事業として行っていた乳母車の製造販売である。
その後、乳母車業界は、外資メーカーの参入により、国内の中小メーカーは苦戦する状況となったが、ある時、玉田栄一氏は、高齢者が乳母車を歩行補助として使用する様子から、高齢者向けの歩行補助器具に新たな需要を見出した。
そして、乳母車の製造で培った技術をベースに、高齢者向けの歩行補助を目的とした福祉用具であるシルバーカーを国内で初めて開発するに至り、70年から製造・販売を開始した。
その後、業容の拡大により、87年に会社組織として同社を設立した。
同社設立ののち、主力製品が乳母車からシルバーカーへと移行するなか、玉田秀明氏は1996年に同社に入社し、翌97年には取締役に就任した。
入社後、玉田秀明氏は2つの大きな取り組みを行った。ひとつは、国内市場におけるシルバーカーの売上拡大である。そのために、関東への販路拡大を目的として自ら埼玉県上尾市に関東営業所を新設した。もうひとつは製造コスト削減への取り組みである。
中国への進出を経て、05年に玉田秀明氏が中国より帰国し、代表取締役社長に就任した。玉田栄一氏は取締役会長となり、名実ともに世代交代が完了した。従来同社は、シルバーカーに特化した事業を展開してきたが、この世代交代を機に、総合福祉用具メーカーへの道を辿ることとなった。
歩行車市場への参入と同じ07年、同社は、同社の強みであった歩行補助の分野だけでなく、福祉用品を総合的に展開するため、自社ブランド「TacaoF」を創設した。
同社は、入浴関連、排泄関連及び服薬支援関連等の商品を含めた、介護用品・福祉用具を同ブランドで総合的に展開し、販売を行っている。
これにより、製品ポートフォリオは広がりを見せたが、さらに、17年にはアクティブシニア層のメンズ市場を対象とした製品ブランド「GENTILMARRONE(ジェンティルマローネ)」を創設した。
また、培ってきた技術と最新テクノロジーの融合を実現するために、介護ロボット事業にも参入し、同17年に、介護ロボットの開発拠点として、ロボティクスR&Dセンターを設立するなど、先進的な技術による開発にも取り込んでいる。
こうして、歩行関連の福祉用具に主軸を置きつつも、総合福祉用具メーカーへの志向を強めつつ業績拡大を続け、17年11月に東証ジャスダックに株式を上場した。
(2019年2月15日時点)