7352 東証グロース(サービス業)
Branding Engineer
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事業内容(レポートから抜粋)
ITエンジニアに特化してスキル開発や就業機会創出等の各種サービスを展開
Branding Engineer(以下、同社)は、組織に属さないフリーランスという働き方を選択するITエンジニアに対して様々なサービスを提供している。
主力サービスの「Midworks」は、フリーランスとして仕事をしたいITエンジニアに対して就業機会を提供するのと同時に、ITエンジニアの開発力を必要とする企業の需要も満たすサービスとなっている。
また、就業機会だけにとどまらず、スキル開発のためのプログラミングスクールの運営や、働き方を変える際の転職支援まで、ITエンジニアのキャリアに関するトータルサービスをワンストップで提供している。
19/8期まで同社の事業は、サービスの種類別に、Midworks事業、メディア事業、FCS事業、その他の4セグメントに分類されていた。20/8期からは、その他に含まれていたtech boost事業を新たに報告セグメントとしたことにより、5セグメントになった(図表1)。
Midworks事業は、仕事がしたいITエンジニアと、ITエンジニアの開発力を必要とする企業とをマッチングする「Midworks」のサービスが主体で、売上の70%超を占める主力事業となっている。一方、他の事業は売上構成比こそ低いものの、セグメント利益率が高く、利益への貢献度合いは小さくない。
なお、21年1月のMonkeyの完全子会社化により、21/8期第2四半期より連結業績の開示が始まっている。
(2021年8月6日時点)
沿革(レポートから抜粋)
同社は、現代表取締役CEOの河端保志氏と現代表取締役COOの高原克弥氏の両氏を共同代表として13年10月に設立された。両氏とも設立時は学生で、あるITスタートアップの企業でインターンシップとして関わったことで知り合った。
理系出身の河端氏は、大学院在学中にインターンシップのエンジニアとして働いた経験から、業界全体にエンジニアのキャリアや働き方に課題が山積していることに気づいた。
一方、小学生の頃からゲームを作るほどのプログラマーである高原氏は、ITスタートアップの企業の多くがなかなか軌道に乗らない状況から、業界全体が抱える業務の進め方に関する課題を強く認識するようになった。
それぞれの問題意識から、両氏は、ITエンジニアの価値向上と、価値向上のためには業界全体として業務の回し方を変えることの必要性を強く感じるようになり、同社の創業に至った。
同社は、受託開発のビジネスモデルで事業を開始した。開発経験のない人材をITエンジニアとして教育することを重視していた点が特徴で、教育したエンジニアに、受託した開発案件で経験を積んでもらうことで人材育成と事業規模の拡大を目指した。
当初よりITエンジニアの価値向上に課題解決を強く意識していた同社は、受託開発では事業拡大に時間がかかると考え、プラットフォーム運営のビジネスモデルへ転換することを決意した。
プラットフォーム運営のビジネスモデルは、一定規模に達するまでは赤字が先行するため、事業開始当初に、一定期間事業を継続するための資金が必要となる。16年7月に同社は第三者割当増資を行い、約1億円の資金を調達したが、現在の同社の株主に名を連ねている事業会社の多くはこのタイミングで出資した先である。
エンジニアプラットフォームの構築と並行して、ITエンジニアに対し、多様な働き方やキャリア形成の仕方が存在することを啓蒙していく必要があった。そのため、16年10月にIT人材のためのキャリアスタイルマガジン「Mayonez」を、17年5月にビジネスパーソンのためのキャリアスタイルマガジン「Tap-biz」をそれぞれ開始した。
同社の創業時の受託開発の特徴は、ITエンジニアを自前で育成していくことにあった。その特徴を活かす形で17年10月に開始したのが、プログラミングスクール「tech boost」である。「tech boost」はAIやブロックチェーン、IoT等の最新技術を学べるコースを取り揃えており、ITエンジニアに自身の価値を上げる機会が提供されるようになった。
こうして、運営するプラットフォームを強化しながら事業規模を拡大していった結果、20年7月に東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たした。
(2021年8月6日時点)