5590 東証グロース(情報・通信)
ネットスターズ
企業情報
事業内容(レポートから抜粋)
マルチQRコード決済サービス「StarPay」やDX関連サービス等を提供
ネットスターズは、QRコード決済等の複数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供可能にする、マルチQRコード決済サービス「StarPay」や、決済に関連するDX製品「StarPay-DX」等を加盟店に提供している。同社サービスの最終的なユーザーは一般消費者であり、事業形態はBtoBtoCとなっている。StarPayは24/12期中間会計期間(以下、上期)末時点で約45万のアカウント(店舗や自動販売機等)で利用されている。
ネットスターズの事業領域は、フィンテック事業の単一セグメントであるが、決済関連(決済手数料、端末販売)、DX関連(DX製品及びミニアプリ)、その他(プロモーション、ネットワークサービス等)に分類される。創業当時からの事業である通信事業については、23年4月に同事業から撤退した(図表1)。
通信事業を除いた23/12期のサービス別売上高構成比は決済関連74.5%(決済手数料72.6%、端末販売1.9%)、DX関連21.6%、その他3.9%であった。
1)決済関連
現在、多くのキャッシュレス決済ブランドがあるが、加盟店は、StarPayの導入により、多様な決済手段・ブランドを一括して契約・運用することが可能となり、また、決済事業者は、同社との提携により、自社の決済サービスをより多くの加盟店に導入してもらうことが可能になる。
主力サービスであるStarPayは、利用の対価として加盟店の決済額に応じた手数料を受領する収益モデルとなっている。つまり、決済手数料の総額は、StarPayによる決済取扱高(Gross Payment Volume、以下、GPV)に平均決済手数料率を乗じた金額となる。
2)DX関連
ネットスターズは、収益源の多様化を目指し、20年9月には「LINE Pay」での決済機能を搭載したミニアプリを導入できる支援サービス「StarPay-mini for LINEミニアプリ」を開発し、DX製品注2「StarPay-DX」の販売を開始した。現在、提供されているミニアプリの機能としては、デジタル会員証や店舗の予約機能等が挙げられる。
(2024年10月4日時点)
沿革(レポートから抜粋)
ネットスターズは、中国吉林省にある吉林大学で物理学を学んだ後に来日した李剛氏によって、IT事業等を目的として09年2月に設立された。李社長は、SCSK(9719東証プライム)の前身会社であるCSKや、新日鉄ソリューションズ(現 日鉄ソリューションズ 2327東証プライム)でエンジニアとして勤務した経験を持つ。
11年7月に、中国テンセント、KDDI(9433東証プライム)と同社は共同でスマートフォン向けチャットアプリ「モバイルQQ日本版」をリリースした。テンセントとの関係を築いた同社は、15年に訪日中国人観光客を主な対象として、テンセントが展開するQRコード決済サービス「WeChat Pay」の日本における代理店として契約を締結した。
WeChat Payの日本における本格導入が始まると、ネットスターズは、WeChat Pay決済専用アプリとしてStarPayを開発し、15年7月から加盟店への提供を開始した。17年1月には、1台の端末で、各社のスマートフォンでのQRコード決済に対応可能なStarPay端末の販売を開始した。
ネットスターズは、17年10月にLINEの子会社であるLINE Payと、モバイル決済・送金サービスLINE Payの加盟店開拓・管理業務に関する業務で提携し、StarPay端末でのLINE Pay決済が可能となった。両社の関係は、18年2月には資本業務提携に発展し、ネットスターズは、マルチQRコード決済サービスの本格展開に舵を切った。
その後、StarPay決済サービスに、中国アリババグループが展開するAlipay(18年4月)、PayPay、楽天ペイ(18年10月)等が追加された。なお、クレジットカード決済は23年2月、電子マネー決済は同年7月から対応を開始している。
23年9月、ネットスターズは東京証券取引所グロース市場に上場した。23年11月には、ホテル向け決済プラットフォームStarPay-Biz for Hotelを開始した。12月には、企業間の請求・支払い業務の専用システムStarPay-Biz(B to B送金)の提供を開始したほか、StarPayにおいて、新たに3つの国と地域(イタリア、モンゴル、マカオ)のQRコード決済ブランドへの対応を開始し、対応する地域が13の国と地域に拡充された。
(2024年10月4日時点)