4389 東証グロース(情報・通信)
プロパティデータバンク
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事業内容(レポートから抜粋)
不動産管理業務支援のためのクラウドサービスを提供する不動産テック企業
プロパティデータバンク(以下、同社)は、顧客が保有する不動産・施設の運用管理を支援するための統合資産管理クラウドサービス「@プロパティ(アットプロパティと読む)」を提供している。
不動産とテクノロジーを掛け合わせた「不動産テック」と呼ばれる分野には、不動産取引支援、ビッグデータを活用する不動産評価支援、不動産業務支援の3つの領域があるとされている。同社の事業は不動産業務支援の領域に属している。
同社は、賃貸用不動産を所有するREIT・ファンド、事業用不動産を所有する一般の大手企業・グループ企業、不動産を管理する総合ビル管理会社等を顧客としたBtoBの事業として展開している。特にREIT・ファンド向けでは「@プロパティ」はデファクトスタンダードと言えるほど高いシェアを取っている。
同社の報告セグメントは「@プロパティ」の提供にかかる単一セグメントだが、提供するサービスの内容に応じて、クラウドサービスとソリューションサービスの2つのサービスに区分される。
クラウドサービスは「@プロパティ」の月額利用料をベースとしたストックビジネスであり、ソリューションサービスは「@プロパティ」導入時のカスタマイズ等のフロービジネスである。
売上高はクラウドサービスが中心で、21/3期の売上高の58.3%を占めている。20/3期まではクラウドサービスの導入時に必要となるソリューションサービスの増収率が高く、その売上構成比の上昇が続いていた。しかし、21/3期は登録棟数の急増等によってクラウドサービスの伸びが加速し、両サービスの増収率が拮抗して、ソリューションサービスの売上構成比の上昇傾向が一服した。
(2021年7月9日時点)
沿革(レポートから抜粋)
同社の事業は、清水建設(1803東証一部)社内で立ち上がった新規事業開発のチームから始まった。当時は、01年のJ-REITの開始に向け、不動産の証券化が本格的に始まろうとしていた時期であった。
欧米において不動産管理分野でのデータベース活用の多くの先行事例をもとに、不動産の運用管理に関するソリューションをクラウドで提供する事業の構想が具体的なものとなっていった。
00年10月に、清水建設の社内事業家公募制度を利用して同社は設立された。なお、社内事業家公募制度では、清水建設以外の企業の参画や、創業メンバーも出資することが条件だったという。
そして、00年12月に東京のデータセンターを稼働させ、現在でも主力であり続けている「@プロパティ」のクラウドサービスを開始した。
清水建設発の事業であるため、最初は新築プロジェクト中心に営業が展開されたことに起因した課題である。つまり、新築中心の営業では、ストックビジネスが黒字化するのに必要な登録棟数の獲得に時間がかかるという問題があった。
そのため、新築物件ではなく、既存物件を対象として、ビルオーナーに建物全棟の一元管理を提案する営業へ大きく方針転換をした。これが功を奏し、REITを管理するファンドへの「@プロパティ」の浸透が進む背景となった。
転機となったのが08年のリーマンショックである。J-REITが破綻することはなかったものの、私募ファンドが壊滅的な打撃を受けることとなった。そのため、同社は、一般企業が保有する物件への普及に活路を見出すこととなった。
09年には大手生命保険会社の案件を受注するなど、不動産ファンドと関係しない一般企業向けの市場への普及が進むこととなった。
事業を拡大していった結果、18年6月に東京証券取引所マザーズへの上場を果たし、現在に至っている。
(2019年9月20日時点)