9337 東証グロース(サービス業)
トリドリ
企業情報
新規上場会社紹介レポート
事業内容(レポートから抜粋)
インフルエンサーマーケティングサービスを開発・提供
トリドリ(以下、同社)はインフルエンサーと企業をマッチングするインフルエンサーマーケティングプラットフォームであるtoridori baseを始めとしたインフルエンサーマーケティングサービスやインフルエンサーサポートサービスを開発・提供している。
同社は16年に設立されたが、設立当初はインフルエンサーに特化した成果報酬型広告サービス(現toridori ad)を行っていた。その後サービスの幅を拡大し、18年4月に、現在同社が注力する中小企業や個人事業主とインフルエンサーをマッチングするtoridori baseを開始した。
toridori baseは、同社の顧客企業(個人事業主も含む)がインフルエンサーに直接PR投稿を依頼できるマーケティングプラットフォームで、顧客企業側のアプリはtoridori marketing、インフルエンサー側のアプリはtoridori baseとして運営している(このレポートでは、両者をまとめてtoridori baseとする)。
このプラットフォームを利用すると、個人店から大規模事業者といった幅広い顧客がインフルエンサーに対してPR投稿を簡単に依頼できる。特に、ノウハウの不足や資金面での制約からインフルエンサーを起用したマーケティングを行うことが難しかった個人事業主や中小企業でも手軽に利用できる仕組みを提供している。
一方、インフルエンサーは常時1,000件以上掲載されている案件の中から希望する案件に立候補することができる。採用されたインフルエンサーは、PR対象となる商品やサービスを無料で体験することができ、体験後に自身のInstagram、TikTok、YouTubeなどのSNSでレビューを投稿する。この無料体験型に加え、報奨金のある投稿報酬型の案件もある。22年9月末時点での登録インフルエンサー数は約35,000人に及んでいる。
同社はインフルエンサーの中でもマイクロインフルエンサーを中心にSNS活動の支援や収益機会を提供している。顧客企業はシステム上で直接、インフルエンサーとのやり取りを完結できるため、ミドル・メガインフルエンサーによるPR手段と比較して費用を低く抑えられる。
加えて、マイクロインフルエンサーは投稿に対しての反応状況を表すエンゲージメント率とPRの到達率を示すリーチ率のバランスが良く、広告の効果が出やすいとされており、コストパフォーマンスの良いPR手段とされている。
同社のサービスは飲食、美容、通販、レジャー、観光業界などの中小事業者を中心に幅広い業種の企業に活用されている。toridori baseのサービスは18年4月から開始されたが、21年ごろより顧客企業数の増加が顕著となり、22/12期第3四半期では顧客企業数(四半期中に売上のあった先)は2,296社に達した。
toridori baseの主な収益は顧客企業から受け取る月額利用料やインフルエンサーの採用に応じた従量課金である。一方、インフルエンサーに対しては無償でサービスを提供している。機能追加といった提供サービスの充実に伴い、アップセルやクロスセルが出来てきていることや認知度を上げるために無料で提供していたサービスを有料化したことなどにより、同社がKPIとして重視している顧客当たり四半期売上総利益は順調に上昇してきている。
(2022年12月20日時点)