6223 東証スタンダード(機械)
西部技研
企業情報
新規上場会社紹介レポート
事業内容(レポートから抜粋)
デシカント除湿機とVOC濃縮装置等のグローバルメーカー
西部技研は、デシカント除湿機やVOC濃縮装置等を、スウェーデン、中国、アメリカ、ポーランド、韓国、ケニア等の子会社との緊密な連携のもと、約50カ国で販売するグローバルメーカーである。
西部技研は、九州大学工学部の研究助手であった隈利實氏が、大学勤務の傍ら、企業からの研究を受託する目的で1962年に設立した隈研究所を前身としている。その後、隈利實氏は、65年に西部技術研究所(現同社)を設立し、72年に商号を変更した。
石油ショックを契機に新規事業を模索していた西部技研は、当時、海外で上市された全熱交換器の自社開発を目指し、研究に取り組んでいたところ、74年にハニカム成形技術の確立に成功し、全熱交換器を商品化した。
ハニカム成形技術とは、シート状の素材と波形の素材を交互に積層接着したものであるハニカム積層体を成形する技術であり、積層体の断面が蜂の巣に似ていることからハニカムと呼ばれている。ハニカム積層体は、空気抵抗が低く、強度に優れ、表面積が広いという3つの特徴を持っている。
西部技研のコア技術は、多くの素材をハニカム状に加工できることと、そのハニカムに様々な機能材を添着し、特別な機能を持たせることである。
西部技研は、全熱交換器の商品化の後も、各種製品の心臓部となるハニカムロータ(回転体)に西部技研独自のコア技術を用いることで、デシカント除湿機やVOC濃縮装置の開発・改良を実現している。
西部技研グループでは、中国子会社やヨーロッパ子会社でもデシカント除湿機やVOC濃縮装置の完成品の製造は行っているものの、中核部品であるロータの製造は日本だけで行っている。
西部技研の事業領域は空調事業の単一セグメントであるが、製品別には、デシカント除湿機、VOC濃縮装置、その他に分類されている。
22/12期における製品別売上高構成比は、デシカント除湿機64.0%、VOC濃縮装置26.3%、その他9.7%であった。
(2023年10月6日時点)