4486 東証グロース(情報・通信)
ユナイトアンドグロウ
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事業内容(レポートから抜粋)
中堅・中小企業向けにIT人材と知識のシェアリングサービスを提供
ユナイトアンドグロウ(以下、同社)は、コーポレートIT部門の人材不足に悩む中堅・中小企業向けにIT人材と知識のシェアリングサービスを提供している。
中堅・中小企業は、いわゆる「ひとり情シス」という言葉があるように、コーポレートIT部門の体制が脆弱であることが多い。中堅・中小企業では、外部のIT人材をタイムシェアして利活用する需要が高まっており、同社のサービスはそうした需要に対応して拡大してきた。
単に人を集め、顧客の現場に送り込むだけでは事業として成り立たない。同社は、IT人材や知識資源をオープンかつ安全に共有するために「シェアード・エンジニアリング」と呼ばれる仕組みを確立しており、それが競争力の源泉のひとつとなっている。
同社の事業は、インソーシング事業と、連結子会社のfjコンサルティングが主体のセキュリティ事業の2つの報告セグメントに分類される。セキュリティ事業はまだ規模が小さく、売上高、営業利益ともインソーシング事業が大半を占めている。
なお、23/12期より、インソーシング事業は、コーポレートIT総合支援セグメントとコーポレートIT内製開発支援セグメントの2つに分かれ、セキュリティ事業はキャッシュレスセキュリティ・コンサルティングセグメントに名称が変更された。
(2023年4月14日時点)
沿革(レポートから抜粋)
創業者で現代表取締役社長の須田騎一朗氏の一度目の創業は、97年7月に設立したキューアンドエーであった。キューアンドエーは、通信やPC販売といった大手IT企業に対し、個人ユーザー向けのサポート業務を請け負っていた。
請け負った業務の中には、PCの設置等のために個人宅に訪問してサポートを行うものもあった。この訪問サポートのために抱えていた多くのスタッフを活用し、一時期、中小企業向けのIT環境整備を支援するサービスを新規事業として行った時もあったという。この新規事業は収益につながらずに撤退したが、この時の経験が後の同社の創業につながっていくことになる。
その後キューアンドエーは、2000年代のITバブル崩壊の影響を受けて業績が悪化した。数年かかって業績を立て直した後、須田氏はキューアンドエーでの職を退任した。
キューアンドエーで上記のコンシューマー向けサービスを手掛けてきて得たノウハウに加え、新規事業として中小企業向けのサービス展開を経験したこと踏まえ、05年2月に、中堅・中小企業の情報システム部門の支援を行う同社を設立した。須田氏にとって二度目の創業である。設立時はテクネットという商号だったが、14年に現在のユナイトアンドグロウへ商号を変更した。
現在の同社の主力であるインソーシング事業は設立来の事業であり、その特徴のひとつである会員制サービスも、05年8月に開始した。また、現在のコミュニティサイト「Syszo」の前身となる「シス蔵」も07年3月にオープンし、早い段階で現在のインソーシング事業に関係するサービスが確立していった。
インソーシング事業の開始以降08年まで、サービスを提供するスタッフ数の増加に伴い事業規模は拡大した。しかし、サービスを提供するスタッフの稼働量が損益分岐点を超える水準に至らず、何年も赤字の状態が続いていた。
転機となったのは、08年に発生したリーマンショックである。08年時点で従業員は63人まで増えていたが、リーマンショックを機にまとまった退職があり、従業員は09年には48人まで減少した。人数こそ減少したが、組織はかえって筋肉質なものとなり、10年には黒字に転換した。
黒字化した後の数年は、従業員数はほとんど増加しなかったが、スタッフの稼働率のコントロールやサービス品質の向上が進み、利益が出やすい体質に変わっていった。そして、13年からは従業員数も増加し、規模の拡大に舵を切っていった。
15年11月に、セキュリティ領域のサービスを提供するfjコンサルティングの全株式を取得して完全子会社とし、セキュリティ事業を立ち上げた。また、17年6月には会員制Q&Aサービス「kikzo」を開始し、インソーシング事業のサービスを拡充した。
そして、19年12月に東京証券取引所マザーズへの上場を果たし、現在に至っている。
(2021年3月5日時点)