3967 東証グロース(情報・通信)
エルテス
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事業内容(レポートから抜粋)
ソーシャルリスク等のデジタルリスクに対峙するソリューションを提供する会社
エルテス(以下、同社)は、ソーシャルメディアの利用に起因するソーシャルリスク対策をはじめ、デジタルリスク対策のためのソリューションを提供する会社である。
テクノロジーの発展に伴い、世の中の利便性は向上するが、それと引き換えに、従来想定しえなかったリスクが発生する。そうしたリスクを同社では「デジタルリスク」とし、その「デジタルリスク」のうち、ソーシャルメディアに起因するインターネット上のリスクを「ソーシャルリスク」と定義している。
同社の主力サービスはそうしたソーシャルリスクに対峙するソーシャルリスク関連サービスである。具体的には、ネット上で実際に発生してしまった風評被害等への対策を行うソーシャルリスクコンサルティングサービス(以下、コンサルティングサービス)や、ネット上で炎上を起こさないようにリスク検知を行うソーシャルリスクモニタリングサービス(以下、モニタリングサービス)を展開している。
同社は、デジタル化の進展に伴って生じる新たなリスクに対応する分野を新規事業と位置づけ事業領域の拡大を進めている。また、子会社を通じて、デジタル関連のベンチャー企業への投資事業も行っている。
従来はデジタルリスク事業とその他でセグメント情報が開示されていたが、21/2期から、その他をAIセキュリティ事業とDX推進事業に分けた上で報告セグメントとしたことで、3つの報告セグメントによる開示に変更された。
事業の中心はデジタルリスク事業であり、売上高の大半を占めるともに唯一の黒字セグメントとなっている。AIセキュリティ事業とDX推進事業は新規事業として位置づけられ、将来の成長のための投資が続いているためにセグメント損失が続いている。
(2021年6月11日時点)
沿革(レポートから抜粋)
現代表取締役社長の菅原貴弘氏は、大学在学中に起業し、04年に旧エルテスを設立した。この旧エルテスが同社の前身となる。
旧エルテスでは、インターネット関連の分野を中心に、複数の事業を手掛けていた。数年が経過した頃に、世の中で興隆の兆しが表れていた「ウェブ2.0」の世界に触れた。
菅原氏は、「ウェブ2.0」の盛り上がりとともに、風評被害が多発する状況を予測し、ネット上での風評被害対策の事業を立ち上げた。これが07年に開始した、検索エンジン向けのソーシャルリスクコンサルティングサービスである。
翌08年にリーマンショックが起きたが、そうした経済が混乱した局面においても需要が増え続けていった状況を見て、菅原氏は風評被害対策の市場の可能性を確信し、事業を拡大していった。
12年に菅原氏が設立したエヌアールピーは、ウェブのモニタリングシステムの開発等を行っていた会社だが、同時に、ソーシャルリスクに関する業界全体の事例を集めて体系的な対応手法を構築することに注力していた。
この頃より、同社はソーシャルリスクの啓蒙のための知名度向上の手段として上場を目指すことになり、株式公開とその後の継続的な成長に向けた事業体制強化の一環として、エヌアールピーと旧エルテスが統合した。
形としてはエヌアールピーが存続会社となって旧エルテスを吸収合併した上で、商号をエルテスに変更した。こうして、現在の体制が整った。
16年に開始したリスクインテリジェンスサービスは、同社の事業領域を広げる契機となった。
従来のソーシャルリスク事業は、基本的にはビッグデータという誰もが入手できるデータを分析・活用するサービスである。一方、リスクインテリジェンスサービスは、顧客の社内データを分析・活用するサービスである。
顧客の持つデータは誰もがアクセスできるデータではない。そうしたデータを取り扱うサービスを展開できることの意味は大きく、同社の信用度の高さを証明するだけでなく、今後の新規事業の対象を格段に広げる契機となった。実際、リスクインテリジェンスサービスの提供開始以降、現在に至るまで、新たに3つの新規事業の立ち上げが計画されている。
また、リスクインテリジェンスサービス開始と時を同じくして、デジタルリスクに関する調査・提言を行うデジタルリスク総合研究所という社内シンクタンクを設立するなど、事業領域の拡大と深掘りが進められてきた。
こうした状況の中で、16年11月に、東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場した。上場の翌年には、エルテスセキュリティインテリジェンスとエルテスキャピタルの連結子会社2社を設立するなど、拡大が続いている。
(2019年2月1日時点)