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2932 東証スタンダード(食料品)

STIフードホールディングス

企業情報

事業内容(レポートから抜粋)

セブン‐イレブン向けが中心の水産原料に強い食品メーカー

STIフードホールディングスは、水産品に特化した食品・食材メーカーである。水産原材料の調達から製造・販売までを一貫して行い、常温(ドライ)、冷蔵(チルド)、冷凍(フローズン)の3温度帯の消費者向け最終製品を小売チェーン店に販売している。販売先としてはセブン‐イレブン向けが多い。

前身の水産商社の新東京インターナショナルの時代より、水産品の輸入と製造で事業を拡大してきた。新東京インターナショナルは、為替予約の失敗により10年に民事再生法の適用を受けた。

スポンサーの極洋(1301東証プライム)の下で、為替リスクを負う水産商社の事業を切り離し、食品と食材の製造に事業を集約して再建を果たし、セブン‐イレブン向けの製品で業績を拡大してきた。STIフードホールディングスグループはSTIフードホールディングス及び連結子会社7社(孫会社1社を含む)、持分法適用会社1社、非連結子会社1社で構成されている。

STIフードホールディングスは食品製造販売事業の単一の事業セグメントだが、食品と食材の製品分類別に売上高を公表している。最終製品の製造を担う食品が全体の売上高の約8割を占めている。

(2024年4月12日時点)

沿革(レポートから抜粋)

現代表取締役社長兼CEOの十見裕氏は、学生の時よりいつか商売をしたいと思い続け、また、バックパッカーとして各地を巡るほど海外への興味が強かった。そこで最初に就職したのが、伊藤忠アパレル(現伊藤忠商事)であった。

アパレル分野でキャリアを積んでいた折、たまたま人手を多く必要としていた食品部門での水産品の輸入業務に携わる機会があった。当時は、世界各国が200海里を設定するようになり、日本の水産品の調達が遠洋漁業での漁獲中心から、世界各国からの輸入中心に転換する時期であり、大手商社がこぞって商機を得ようとして、人員を投入していたのである。

ファイナンスの感覚が鋭い十見氏は、資金回収に半年から1年の時間がかかるために大きな成長資金を必要とするアパレルとは異なり、現金回収期間が最短数日、平均15日前後と短期間である水産業の流通に魅力を覚えた。

こうした経験を踏まえ、水産業の会社に転職して数年間勤務した後に独立し、1988年に同社の前身となる新東京インターナショナルを設立した。

新東京インターナショナルはまず、水産原材料や水産食材の輸出入販売から手掛けていった。仕入元である米国・アラスカで使い途がなかったマダラの白子を輸入し、包装し直して販売するといったような、同業の大手企業が扱わないような商流をつくることを得意とし、取扱量を増やしていった。

業容拡大の過程で、工場の設備投資等に常に資金が必要だったところに、09年の急激な円高の進行によって、輸入決済の際の為替変動を回避するために利用していた為替デリバティブで多額の損失が発生した。資金繰りに窮したことにより、事業の立て直しのために、新東京インターナショナルは10年4月に民事再生法適用を申請することとなった。

スポンサーとして救済に乗り出したのは極洋である。極洋は10年7月に完全子会社としてエス・ティー・アイを設立し、10年9月に新東京インターナショナルの事業を譲受した。

再建に当たっては、輸入原材料の販売という商社ビジネスからは撤退し、最終製品の製造販売に事業を集約することとなった。

14年5月、惣菜に初めて配合ガス置換包装機を導入した。この装置を用いた加工技術を確立したことで、従来約3日であった惣菜の消費期限を、約10日まで大幅に延ばすことが可能になった。これは、社会的課題であるフードロスが大きく削減できるという画期的なものであった。

その後、サーモンフレークや焼きタラコの製造における特許を取得し、新たに確立した製造技術を製品開発や量産につなげていくという流れをつくった。

(2021年12月28日時点)

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