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5129 東証グロース(情報・通信)

FIXER

企業情報

事業内容(レポートから抜粋)

Microsoft Azureを用いた基幹システム構築に強み持つクラウドインテグレーター

FIXER(フィクサー)は、Microsoft Azureを用いた基幹システムの構築に強みを持つクラウドインテグレーターである。クラウドインテグレーターとは、クラウドに特化して情報システムの設計、構築、運用等の全工程を一貫して請け負う事業形態を意味している。

クラウドサービスのインフラストラクチャーは、自社でクラウド環境を構築、運用するプライベートクラウドと、クラウド事業者が提供するサービスを不特定多数のユーザーが利用するパブリッククラウドに大別される。

パブリッククラウドは、サービスの利用形態によって、クラウド上にあるネットワークやサーバ等のコンピューティングリソースを利用できるIaaS(Infrastructure as a Service)、コンピューティングリソースに加えてOSやミドルウェアまでのプラットフォームを利用できるPaaS(Platform as a Service)、PaaS領域に加えてアプリケーション・ソフトウェアも利用できるSaaS(Software as a Service)に分類されている。Microsoft Azureは、主としてIaaSとPaaS領域のパブリッククラウドサービスに該当する。

FIXERはクラウドサービス事業の単一セグメントであるが、クラウドに特化した新規システムの開発や、既存システムのクラウド移行を行う「プロジェクト型サービス」、システムの稼働後に、クラウドサービスのライセンスを仕入販売する「リセール」と、保守・運用等を行う「マネージドサービス」、自動架電サービスやメタバース基盤、生成AI技術を活用したエンタープライズ向けサービスGaiXer(ガイザー)等を提供する「SaaS」、「その他」に事業を分類している。

23/8期の事業別売上高構成比は、プロジェクト型サービス26.2%、リセール43.1%、マネージドサービス14.5%、SaaS16.2%、その他0.0%であった。

プロジェクト型サービスでは、顧客の要件・要望に基づくシステムを新たに開発したり、既存のオンプレミスのシステムをクラウドに移行(マイグレーション)したりするサービスを行っている。

プロジェクト型サービスの事例としては、北國フィナンシャルホールディングス(7381東証プライム)の中核子会社である北國銀行の「北國クラウドバンキング」のMicrosoft Azure上でのクラウド移行(稼働開始19年9月)や、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)の新規システム開発(同20年5月)、国立がん研究センターの「全国がん登録」システムのクラウド移行(同22年4月)が挙げられる。

リセールでは、パブリッククラウドベンダーや、各種ソフトウェアベンダーから、クラウドやソフトウェアのライセンスを仕入れ、顧客に販売している。Microsoft Azure、Microsoft 365、Microsoft Power Platform等のMicrosoft関連製品が中心となっている模様である。

FIXERは、一般的な保守・運用サービスに加え、クラウド環境で発生する課題の解決(追加開発)にも対応するマネージドサービスを「cloud.config」のブランドで展開している。Microsoft Azure関連が中心となっている模様である。

FIXERは、プロジェクト型サービスで開発したシステムや、マネージドサービスの保守・運用で把握した顧客ニーズの高い機能を汎用化し、SaaS型サービスとして提供している。従来からのサービスである自動架電サービスとメタバース基盤に加え、23/8期下期より生成AI技術を活用したエンタープライズサービス「GaiXer」の提供を開始した。

(2024年5月2日時点)

沿革(レポートから抜粋)

FIXERは、Microsoft Azureが本格サービスを開始する前の08年9月に、実質的な創業者である松岡清一氏(現代表取締役社長)によって東京都港区に設立された。

松岡氏は、野村システムズ関西(現NRIネットコム)の技術者であったが、クラウド技術の進化を受けてクラウド事業への進出を会社に提案したものの受け入れられなかった。そこで、松岡氏は、まずFIXERを設立し、前職の退職後の09年11月に代表取締役社長に就任すると、同社は本格的な事業活動を開始した。

10年にMicrosoftが Azureをリリースすると、FIXERは、大手飲料メーカーのコマーシャル動画配信基盤や、大手ゲーム会社等の大規模コンテンツ配信案件等でパブリッククラウドの導入実績を徐々に積み重ねた。こうした取組みが評価され、13年と14年には日本マイクロソフトから「Cloud Service Vendor 最優秀賞」を受賞した。

15年7月にはMicrosoft米国本社から「Microsoft Azure Cloud Solution Provider(CSP)」制度設立時のパートナーとして世界で26社が選出される中、日本企業では唯一、FIXERが認定された。

FIXERは、15年11月、三重県津市に開発拠点であるFIXERクラウドセンターを開設した(19年6月、四日市市に移転)。19年7月には、Microsoft Azureのマネージドサービスを提供するパートナーの最高位認定である「Azure Expert MSP」を取得し、更新審査を経て同認定を現在まで維持している。

19年9月には、FIXERが開発したMicrosoft Azureを使った国内初のインターネットバンキングサービス「北國クラウドバンキング」が稼働を開始した。20年5月には、厚生労働省が発注し、同社が構築した「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」の稼働が始まった。21/8期下期には、HER-SYS上での自動架電サービス(SaaS)の提供が開始された。22/8期には、国立がん研究センターのクラウド移行プロジェクトが実施された。

22年10月、FIXERは東京証券取引所グロース市場に上場した。23年4月には、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを活用した、エンタープライズGPTプラットフォーム「GaiXer(ガイザー)」の提供を開始した。

(2023年6月30日時点)

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