6195 東証グロース(サービス業)
ホープ
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事業内容(レポートから抜粋)
財源確保支援を中心に自治体に特化したサービスを提供する会社
ホープ(以下、同社)は、自治体の財源確保や経費削減の支援を中心に、自治体にまつわるサービスを提供する会社である。
同社のビジネスモデルの多くでは、単に自治体の財源確保や経費削減という直接的なメリットだけではなく、関係する民間企業にも、事業活動や販売促進活動の機会の獲得等のメリットがある形となっている。
従来は、自治体の財源確保の機会を提供することを目的に自治体の遊休スペースを広告枠として販売する広告事業がほとんどであった。
現在は、以前から育成してきた自治体とそれ以外を結びつけるメディア事業と、18/6期から新規に開始した低価格での電力供給により自治体の経費削減に資するエネルギー事業が加わっている。
同社の事業は、PPS(Public Private Sharing)事業の単一セグメントとして取り扱われていた。現在は、広告事業、メディア事業(19/6期第3四半期まではマーケティング&メディア事業)、エネルギー事業の3つのセグメントに分類されている。
売上高の6割近くが既存事業である広告事業によるものだが、エネルギー事業の急拡大により、その売上構成比は大きく低下している。
(2019年12月6日時点)
沿革(レポートから抜粋)
同社の事業の始まりは、代表取締役社長の時津孝康氏が、大学在学中、地方自治体が保有する資産の有効活用が可能であるということに気づいたことである。その直接のきっかけは、時津氏の友人が、自治体の持つ遊休スペースをフットサル場として活用する活動をしていたのを見たことであった。フットサル場になった後、その周辺地域の治安が良くなり、地域が活性化した。このことから、時津氏は、自治体の持つ遊休スペースの有効活用の意義を確信した。
そこで時津氏は、休眠状態にあった有限会社時津建設を承継し、05年に商号を有限会社ホープ・キャピタルに変更した上で、代表取締役社長に就任した。これが現在の同社の前身となった。
同社には、地方自治体が持つ遊休スペース活用のアイデアが多くあった。しかし、自治体との取引実績がないことや、事業を行う上で許認可が必要なことが最初の壁となった。多くのアイデアの中で、当時の同社が取り組むことができたのが、自治体にとってほとんど前例がなかった有料広告事業であった。
当時、地方自治体ではどこも財政が厳しくなる状況が見込まれる一方、規制緩和により、自治体の財源確保の裁量権が広がりつつある時期であった。ただし、財源確保のために積極的に動いていた自治体は全国でもごく一部で、同社が地盤とする九州北部を始め、ほとんどの自治体は具体的に何をすれば良いか分からない状況にあった。
そうした時代背景もあり、地方自治体が持つ遊休スペースを有料広告枠として販売するという同社の取り組みは、徐々に受け入れられるようになっていった。創業から1年8カ月後に初めて自治体と契約を締結し、DSサービスが立ち上がった。
その後、DSサービスは拡大し、07年には有限会社を株式会社に改組し、09年には商号を現在の株式会社ホープに変更した。
DSサービスは広告枠の販売ということもあり、決して利益率が高い事業とは言えない。そこで、それまでのDSサービスの展開を通じて得られた多くの自治体との間で築かれた関係や、広告主を集めるノウハウの蓄積を活かす事業として、13年に自治体情報誌の制作無償請負を行うMCサービスを開始した。これにより、同社の財源確保支援サービスは、DSサービスとMCサービスの二本柱となった。
さらに、14年には、広報紙等自治体情報配信アプリ「i広報紙」(現在の「マチイロ」)をリリースして情報プラットフォームサービスを開始した。また、同年、自治体向け営業活動の支援・代行等を行う営業活動支援サービス(現BPO支援サービス)も開始し、自治体と民間企業の両社がともに繁栄するためのサービスを拡充していった。こうした事業の拡大と多角化を受け、16年6月に、東京証券取引所マザーズ市場と福岡証券取引所Q-Board市場に同時に株式を上場した。
上場後も、小規模自治体媒体にも対応できる、自治体と広告主をつなぐエリア限定広告マーケットプレイスサービス「LAMP」、ビジネスプロセスコンサルティングサービスを開始した。上場後、小規模自治体媒体にも対応できるマーケットプレイスサービス「LAMP」や、ビジネスプロセスコンサルティングサービス等、サービスの拡充が加速している。
(2017年6月2日時点)