287A 東証スタンダード(卸売業)
黒田グループ
企業情報
新規上場会社紹介レポート
事業内容(レポートから抜粋)
HDD部品等の電子部品や液晶生産材等の電気材料の製造と販売を手掛ける
黒田グループは、HDD部品等の電子部品や、液晶生産材等の電気材料を製造、販売する製造事業と、主に自動車やエレクトロニクス関連の顧客に電子部品や電気材料等を販売する商社事業を展開する子会社を傘下に持つ純粋持株会社である。国内のほか、中国や東南アジア等、海外12カ国でサービスを展開しており、24/3期の海外売上収益比率は45.2%に達している。
黒田グループは、17年10月に設立されたKMホールディングスを前身としている。KMホールディングスは、東証一部に上場していた黒田電気を非公開化するために、MBKパートナーズグループが運営するファンドであるMBK Partners JC IV, L.P.(エムビーケーパートナーズ・ジェーシーフォー・エルピー)が100%保有する投資ビークルとして設立された。
黒田電気は、45年10月にベークライト板等の電気絶縁材料の卸売を目的に設立された。創業以来、電気材料と電子部品を取扱う専門商社として、国内外にグループ会社を設立してグローバル・ネットワークを構築すると共に、製造・加工事業も行うことで、「ものづくりのできる商社」として、現在の黒田グループ事業の原形を形成してきた。黒田電気は、96年の大証二部への上場を経て、00年に東証一部に上場した後も、液晶テレビやスマートフォンの急速な普及を背景に売上規模は拡大傾向で推移していた。
15年頃から、黒田電気を取り巻く事業環境や取引先の事業方針が大きく変化し、商社としての与信、在庫、物流の基本機能の提供だけでは顧客に価値を認められにくくなり、売上規模拡大を追求するビジネスモデルでは限界を迎えつつあった。
そのため、経営の基本方針を、売上規模の拡大から営業利益率の改善による営業利益の拡大に切り替えると共に、同方針に賛同したMBKパートナーズグループの協力のもと、中長期的な視点で企業価値の向上に最も資する体制を検討した。
その結果、株主構成及び資本構成を再構築して、目的意識を共有した少数の関係者が迅速に意思決定を行う体制を構築することが重要と考え、KMホールディングスを設立し、当該会社が公開買付を行い、黒田電気は18年3月に非公開化に至った。
非公開化前は、商社事業を担う黒田電気をグループの頂点としていたものの、製造事業が当時のグループの全社営業利益の約7割を占めていた。非公開化により、KMホールディングスを頂点とした持株会社体制に移行した。20年4月にKMホールディングスを黒田グループに商号変更すると共に、事業セグメントを製造事業、商社事業に大別して子会社を並列に配置し、ガバナンス体制を強化した。また、23/3期より、会計基準を日本基準から国際会計基準(IFRS)に移行した。
24/3期におけるセグメント別売上収益(売上高に相当)構成比は、製造事業23.5%、商社事業76.5%であった。
黒田グループは、単体と連結子会社29社(うち、製造事業会社13社、商社事業会社15社、管理事業会社1社)によって構成されている。
製造事業子会社は、ニッチな事業分野で、日本、タイ、中国、ベトナムの顧客に対して独自の製品を製造、販売している。日本と海外12カ国に拠点を持つ商社事業子会社は、車載関連の顧客に対して、電子部品、電気材料等をグローバルに供給しているほか、車載関連以外の顧客に対しては、各国の顧客毎にカスタマイズした供給体制を構築し、電気材料、一般電子部品、半導体、機器・装置等を納入している。
(2024年12月20日時点)