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PRISM BioLab

新規上場会社紹介レポート

(公開日 2024.07.05)

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概要(レポートから抜粋)

PRISM BioLabは、独自の「PepMetics(Peptide Mimetics)」技術によるペプチドを模倣した低分子有機化合物を用いて、細胞内でのタンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction、以下PPI)を制御する低分子医薬品の開発を行っている。

細胞内では、細胞外からの刺激に対して様々なタンパク質がシグナルの伝達を行い、細胞核内のDNAに伝えられてmRNAの生成、mRNA情報の翻訳により新たなタンパク質が生成される。

細胞内のシグナル伝達に重要な役割を果たすのがPPIであり、異常をきたすと疾患のもととなるため、疾患を治療する創薬の標的になる。細胞外のタンパク質の制御には抗体医薬品が使われるが、抗体医薬品は分子量が大きいため、細胞内に入ることができない。

一方、従来の低分子医薬品は細胞内に入ることはできるが、平面的な構造のため、立体構造のタンパク質への結合が難しく、細胞内PPIを標的とする創薬には対応できなかった。

PRISM BioLabのPepMetics技術は、タンパク質の結合に頻繁に使われるらせん状のヘリックス構造を模倣した骨格にアミノ酸側鎖を組み合わせることで、多種多様な立体構造のペプチド模倣低分子有機化合物を作成する技術である。作成された低分子有機化合物は、細胞内で標的とするタンパク質に結合し、アミノ酸側鎖の作用により、PPIの相手のタンパク質との結合を阻害することで薬理効果をえる。

PepMetics技術を用いて、40種類以上の骨格、50種類以上のアミノ酸側鎖、3~5カ所の側鎖位置の組合せにより、理論的には2億5,000万個以上の化合物のデザインが可能である。同社はこうした化合物デザインを、バーチャルライブラリーとして確保しており、そのうち実際に化合物として合成し、活性や薬理効果等の評価を行えるライブラリーとして2万個以上を保有している。バーチャルライブラリーは標的タンパク質への結合状況のシミュレーションや、効率的な化合物の合成等に役立てられる。

PRISM BioLabはPepMetics技術による創薬基盤を活用して、自社開発事業と共同開発事業の2つの事業モデルを展開している。

自社開発事業では、同社が創薬標的を選定し、創薬標的に対する活性のある初期の化合物(Hit化合物)の創出、Hit化合物から臨床候補化合物への最適化を行い、動物実験等の非臨床試験段階を進めながら製薬会社へ導出する。収入としては、導出時の契約一時金、開発に応じたマイルストン、販売後の売上に対するロイヤリティ収入を得るというハイリスク・ハイリターン型の事業モデルである。

共同開発事業では、提携先の製薬会社が選定した創薬標的に対し、PRISM BioLabのPepMetics化合物ライブラリーを用いて、Hit化合物の創出、化合物最適化を行う。収入としては、契約一時金、共同研究収入、開発に応じたマイルストンや売上に対するロイヤリティを得る。開発パイプラインからの収入総額は自社開発事業に比べて小さくなるが、PRISM BioLabの投資が少なく、早期の収益化を見込むことができる事業モデルである。

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