3924 東証プライム(情報・通信)
ランドコンピュータ
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事業内容(レポートから抜粋)
金融系ソフトウェア開発に強みを持つ独立系システムインテグレーター
ランドコンピュータ(以下、同社)は、直接取引と富士通(6702東証一部)などの大手システムインテグレーター(以下、SIer)等を経由した間接取引によって、ソフトウェア開発を中心としたシステムインテグレーション・サービス(以下、SIサービス)事業や、サーバやネットワーク機器等のハードウェアの導入等を行うインフラソリューション・サービス(以下、ISサービス)事業、他社製品を中心としたパッケージソフトに関連する事業を行うパッケージベースSI・サービス(以下、PSIサービス)事業を提供する独立系のSIerである。
SIerの主要取引先としては、富士通(18/3期の売上高構成比29.6%、富士通グループ全体では44.5%)や、日立製作所(6501 東証一部)グループ、新日鉄住金ソリューションズ(2327東証一部)、エヌ・ティ・ティ・データ(9613 東証一部、以下、NTTデータ)グループ、TIS(3626東証一部)の主要連結子会社であるインテック等が挙げられる。
同社では、SIer(広義)について、富士通グループや日立グループなどの大手電機メーカーグループ向けをメーカー系、それ以外のSIerをSIer(狭義)と区分しており、18/3期の売上高構成比は、メーカー系55%、SIer19%、直販(同社の呼称は「直ユーザ」)26%であった。
直販の主要取引先としては、三菱総合研究所(3636 東証一部)の連結子会社である三菱総研DCSや、三井住友トラスト・ホールディングス(8309東証一部)のグループ企業である三井住友トラスト・システム&サービス、出光興産(5019 東証一部)、関西電力(9503東証一部)の連結子会社である関電システムソリューションズ、野村ホールディングス(8604 東証一部)等が挙げられる。
(2018年8月3日時点)
沿革(レポートから抜粋)
同社は、教育事業を長年営んでいた田村家の三兄弟、田村哲夫氏(現学校法人渋谷教育学園理事長)、田村邦彦氏、田村秀雄氏(現同社代表取締役会長)が発起人となって71年1月に設立された日本コンピュータ学院研究所(同年6月にランドコンピュータに社名変更)を前身としている。
日本コンピュータ学院研究所は、コンピュータに関する教育や、学習用事務機器の研究、開発、販売等を目的に設立されたものの、コンピュータが本格的に普及する前であっため、生徒が集まらなかった。講師として従業員に採用していたコンピュータの技術者に仕事を用意しなければならなかったため、同年9月に需要が高まっていたSIサービスに進出した。
当初の仕事は、富士通から受託した銀行向けのシステム開発を中心に事業を展開していたが、87年には東洋情報システム(現TIS)からの受託をきっかけにクレジットカードシステム分野に対象を広げた。91年には高島屋(8233 東証一部)との業務請負基本契約を締結し、百貨店向け流通システム分野にも進出した。
コンピュータの形態がメインフレーム中心からオープンシステム中心へと移行したことに対応し、06年にはハードウェアの導入やネットワークの構築などを行うISサービスの提供を開始した。
08年のリーマンショック後の需要の落ち込みに対応するため、新規の成長分野への進出を模索していた同社は、10年にセールスフォース・ドットコムと協業し、クラウドコンピューティングサービスの導入支援などを提供するPSIサービスを開始した。
同社社長の諸島伸治氏は、71年に日立製作所に入社したコンピュータの技術者であり、金融証券系のシステム開発に長年従事した後、日立ソフトウェアエンジニアリングの代表取締役社長や、日立ソリューションズの代表取締役副社長を歴任した。日立ソリューションズを退職後、上場を目指して経験豊かな経営者を探していた同社に招聘され、13年に代表取締役社長に就任した。
同社の経常利益率は、11/3期には6.6%、12/3期には8.5%と比較的高い水準で推移していたが、不採算案件の発生と本社移転に伴う家賃の増加などにより、14/3期には3.9%に悪化した。諸島社長は、プロジェクトの見積り精度と品質の向上、課長制の導入などの組織改編、部門営業利益をベースとした精度の高い業績管理などからなるマネジメント改革を開始した結果、15/3期の経常利益率は6.5%に急回復を果たした。
15年12月に、同社は東証二部に上場した。
(2017年2月3日時点)