3963 東証プライム(情報・通信)
シンクロ・フード
企業情報
事業内容(レポートから抜粋)
「飲食店.COM」を中心に飲食店経営者向けメディアプラットフォームを運営
シンクロ・フード(以下、同社)は、飲食店経営に関わる業務を支援するメディアプラットフォームを運営する会社である。同社のプラットフォームを通じて、飲食店のライフサイクルの各段階で発生する業務に関わるサービス提供事業者と飲食店とのマッチングを行う。
主力サイトである「飲食店.COM」には、国内の約20%の飲食店が登録していると推察される。飲食店は、登録及びサービス利用ともに無料で行うことができ(一部有料サービスあり)、基本的にはサービス提供事業者から収益を上げるモデルとなっている。
同社自身は、飲食店に対するサービス提供を直接行うことはしないため、サービス提供事業者とは競合しない。あくまで、飲食店に対するソリューションが揃う「場」を提供するというメディアとしての立場を堅持している。
一方、メディアとして、サービスメニューを増やし、ワンストップでのソリューション提供の体制を充実させることを重視している。そのことで、飲食店及びサービス提供事業者の集客が進み、マッチングが多く発生することで更に集客が進むというのが、同社の基本的な成長シナリオである。
同社は、インターネットメディア事業の単一セグメントだが、飲食店のライフサイクルのどの段階に対して提供されるサービスかにより、売上高は3つのサービス区分に分類される。18/3期は、ライフサイクルのうちの運営フェーズ(店舗が通常に運営されているフェーズ)で提供される運営サービスが、全売上高の77.6%を占めている。
(2018年7月20日時点)
沿革(レポートから抜粋)
代表取締役執行役員社長の藤代真一氏は、大手コンサルティング会社のアクセンチュア(東京都港区)の出身で、インターネットの興隆期にウェブ企画や経営戦略に関わるコンサルティングに従事していた。
藤代氏は、ITを企業経営にどう取り込むかという案件に多く従事したことで、ITの可能性の大きさに気づくとともに、ITに関わるスキルやノウハウを吸収していった。
また、藤代氏の実家が青果物の問屋であったことから、飲食業界に馴染みがあり、飲食業界での生産性の改善余地が大きいことに早くから気づいていた。
こうした背景から、飲食業界の生産性をITの力で改善するところに事業機会を見出し、藤代氏はアクセンチュアの同期メンバーとともに03年に同社を設立した。
同社設立と同じ03年に最初に開設したのは、現在も主力サイトとなっている「飲食店.COM」であり、空き店舗物件の情報の掲載から事業を開始した。
大手外食チェーンのように自前で物件情報を収集できない中小事業者にとって、出店可能な店舗物件にアクセスしようにも、地域の不動産会社が提供する地域限定の情報しかなかった。そのため、地域横断の形で飲食業に特化した店舗情報にアクセスできることは、出店希望者にとっては付加価値の高い情報であり、着実にユーザーを増やしていった。
内装、スタッフのシフト、集客等、数々の準備を行わなくてはならない。同社は、「飲食店.COM」で集めた新規出店を希望するユーザーから、関連する分野で多くの需要があることを確認し、順次サイトを立ち上げていった。
創業から2年後の05年には、店舗のデザイン会社を探すことができる「店舗デザイン.COM」、飲食店のニューオープン情報を提供する「飲食店PR.COM」、インテリア業界の求人情報を扱う「求人@インテリアデザイン」の3つのサイトを開設した。
その後、06年には、「飲食店.COM」のサービスメニューを増やす形で「求人@飲食店.COM」を開始し、07年には居抜き店舗物件の買取査定サイト「居抜き情報.COM」を開設した。
「飲食店.COM」は元々首都圏を中心に展開していたが、関西へ展開地域を拡大していった。11年に「求人@飲食店.COM」の関西版を、15年には「飲食店.COM 店舗物件探し」の関西版を開始した。また、15年には、WEBマガジンの「Foodist Media(フーディストメディア)」を創刊し、これまでとは異なる形態のメディアも取り扱うようになった。
このようにサービスメニューの拡充、展開地域の拡大、メディア媒体の多様化という3方向での拡大を経て、16年に東証マザーズに株式を上場し、17年9月には、東証一部へ市場変更した。
(2017年12月1日時点)